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政府、洋上風力発電の拠点を全国に CO2排出ゼロ達成の鍵に

 政府は洋上風力発電を海に囲まれた日本の有望な再生可能エネルギーと位置付け、全国各地に拠点を整備する構えだ。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を、2050年に実質ゼロにする目標達成の鍵とみて建設を後押しする。保守点検に携わる関連産業が育てば、地域経済の活性化につながるとの期待も膨らむ。大手電力などは参入に意欲を示している。

 風力は太陽光と同様に、天候に発電量が左右される弱点がある。沖合は陸上よりも風が安定して吹き、効率的に発電できるとされる。今は実証段階のものも多いが、政府は30年までに洋上風力の発電能力を原発10基分に相当する1000万キロワット程度とする計画で、40年には3000万キロワット超まで増やしたい考えだ。

 政府は18年、事業者が長期的な計画を立てて投資資金を集めやすくするため、促進区域を指定して最大30年間の事業を許可する洋上風力発電普及法を成立させた。19年に長崎県五島市沖が全国で初めて指定され、事業者の公募手続きが進む。

 今年7月には秋田県由利本荘市沖や千葉県銚子市沖などが指定され、促進区域は計5カ所となった。促進区域ごとに一つの企業連合を選び、30年度までに稼働開始を目指す。このほか北海道や青森県、山形県などで指定の準備をしている。

 東京電力ホールディングスは、住友商事などと促進区域の「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」で、洋上風力発電の世界最大手オーステッド(デンマーク)と千葉県銚子市沖でそれぞれ事業化を狙う。東電と中部電が出資する発電会社、JERA(ジェラ、東京)は電源開発(Jパワー)などと促進区域の「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」などに参画する目標を掲げる。

 世界では欧州を中心に洋上風力が増えている。風力発電の業界団体「世界風力会議」によると、19年の洋上の発電能力は世界で2910万キロワットだ。今後は中国や米国で急増し、30年には2億3400万キロワット超に拡大すると予測している。

【用語解説】洋上風力発電 海上に設置した巨大な風車で発電する再生可能エネルギーの一つ。電気は海底ケーブルを使って陸上に送る。風車の土台を海底に固定する「着床式」と、海上に浮かべる「浮体式」がある。着床式が世界の主流となっており、遠浅の海域が広い欧州が先行。英国、ドイツ、デンマーク、ベルギーなど欧州が世界の発電能力の約75%を占めている。遠浅の海が少ない日本は浮体式の導入が進む見込み。

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