海外情勢

中国、厳冬で電力不足も工場稼働継続 燃料の軽油急騰も品質大半は「規格外」 

 中国は例年に比べ気温が低い冬を迎え、一部地域で電力不足が生じている。多くの工場が稼働継続に向け急遽(きゅうきょ)発電機を入手したため、燃料の軽油価格が急騰している。

 空前の輸出ブーム

 厳しい寒さが続く中、中国の一部の省は一般家庭向け電力確保に、工業・商業向け電力を制限する配給制を開始した。空前の輸出ブームに沸く中、多くの工場は稼働を続け注文に応じるため、ポータブル発電機と軽油の購入を急いでいる。

 気象当局は全土を覆う寒波に対し4段階中2番目に当たるオレンジ色の警報を発している。今後さらなる気温の低下も予想され、電力各社は一般家庭と周辺地域を優先して電力を供給しており、その他の事業者らは代替動力の確保に走らざるを得なくなっている。

 多様なサイズの発電機を取り扱う山東省の山東電源村動力科技はこの冬の販売台数が1日当たり20台を上回り、例年の3倍を超える。販売責任者のヒュアン・ユー氏は「送電停止で注文は増えている。昨年11月は江蘇省や浙江省の顧客からの注文がひっきりなしに入った」と話す。

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑え、経済回復を果たした中国には、世界からの医療用具や防護用品の受注が昨年後半から急増し、電力需要も拡大している。ラニーニャ現象による例年より低い気温がこれに追い打ちをかけ、中国国家発展改革委員会によると、昨年12月の消費電力は前月比で11%増、前年同月の2倍を超える。

 国家統計局によると、中国の軽油の卸価格は昨年4月以来の最高水準に上昇。また、エネルギーと化学関連の情報を提供するオイルケムによると、中国の軽油在庫は昨年12月25日までの1カ月間で5.26%減少し、2076万トンとなった。

 品質大半は規格外

 北京のSIAエナジーのアナリスト、センギイック・ティー氏は「電力が不足した場合、代替エネルギーとして最も手軽な選択肢は軽油だ。中国の電力のうち0.5%が軽油に置き換えられても、軽油の需要には大きな影響が出る」と指摘する。

 また、広東省深セン市の発電機製造大手、SWTの販売責任者、ユアン・ジュン氏は「多くの機械・電気関連の工場が今後、軽油を燃料とする発電機のリースを利用、または購入すると思われる。電力供給の制限で軽油の需要は大幅に拡大しそうだ」と指摘する。

 ただトレーダーは「バックアップ用発電機には、燃料が入手しやすく比較的安価な軽油発電機が使用されることが多い。だが、小規模工場は安い軽油を闇市で購入する傾向があり、軽油需要増加分のほとんどは品質が規格外の軽油だ」と話す。

 中国では石炭も採掘現場での事故防止策の厳格化に輸入規制が重なり供給が不足している。天然ガスは家庭の暖房用確保に電力と同様に配給制が取られている。(ブルームバーグ Bloomberg News)

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