海外情勢

GMにEV新モデル続々、富裕層・配送用投入 事業拡大計画を公表

 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は12日、電気自動車(EV)事業を拡大して富裕層向けの新たな高級モデルや配送車など商用モデルを投入する計画を公表した。バーラ最高経営責任者(CEO)がオンラインで開催中の世界最大級の家電IT見本市「CES」で明らかにした。

 株価最高値47.82ドル

 米株式市場はGMの計画を好感し、同社の株価はこの日、最高値の47.82ドルで終了。破産状態から脱却後の2010年11月に実施した新規株式公開(IPO)の価格33ドルを45%上回り、年初来では約15%高となった。

 GMによると、完全子会社の商用EVブランド「ブライト・ドロップ」を立ち上げ、電動バンの供給にとどまらず車両管理サービスも提供する。

 バーラCEOは12日の講演で、「世界でEVの市場普及率は約3%だが、われわれはそれが変わると確信している」と強調した。

 GMは富裕層向けの高級電動モデルも複数披露した。「キャデラック」ブランドの次世代型電動モデルのコンセプトカー2種など、複数ブランドのEVのほか、「シボレー」ブランドからは赤の電動ピックアップトラックが展示された。

 GMはEVと自動運転車に270億ドル(約2兆8000億円)を投じ、25年末までに世界で30の電動モデルを展開する戦略を掲げている。今回披露したモデルはその一環に当たる。EV事業への移行をより鮮明にするため、先週には約60年ぶりにブランドロゴを刷新した。

 商用EV事業は電動パワートレインの開発、導入を加速させるバーラCEOの最新の攻めの一手に当たる。同CEOはCESで、「世界のEV需要は転換点に達しており、買い手が電動車に切り替える良いタイミングだ」と語った。

 フェデックスに供給

 GMの発表によれば、物流大手フェデックスなどが顧客となるブライト・ドロップは、荷物を運ぶ電動の配送パレットを年内に、電動輸送バンを来年、発売する予定だ。

 GMの最高イノベーション責任者(CIO)、パム・フレッチャー氏によると、フェデックスとの取引に加え、GMは他にも多くの輸送会社から、契約の意志を確認する基本合意書を得ているという。

 ブライト・ドロップは法人顧客が商品や車両の位置を追跡したり、輸送ルートを計画したりできるソフトウエアやサービスを提供する。GMは食料品や貨物の輸送並びに関連する物流の米国内市場規模が25年までに8500億ドル相当になり得ると予測している。

 1~3月期に発売開始を予定する電動配送パレット「EP1」は最大約90キログラムの荷物を積載できる。GMによると、倉庫周辺での物品の移動や、トラックから玄関まで荷物を運ぶことが可能だ。

 来年初めには商用バン「EV600」を投入する。1回の充電での航続距離は約400キロメートル、最大積載容量は約16.99立方メートル。市場調査会社ガイドハウス・インサイツのアナリスト、サム・アブエルサミド氏は、同業のフォード・モーターの新型電動商用バン「Eトランジット」より大型で航続距離は2倍だと説明している。(ブルームバーグ David Welch、Esha Dey)

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