海外情勢

バイデン氏「結束」呼び掛け 20日に米大統領就任演説

 ジョー・バイデン氏は20日、第46代米大統領に就任する。就任式での演説では、現政権から引き継ぐ公衆衛生と経済の危機への対応方針を示すほか、ちょうど2週間前となるトランプ大統領支持者による連邦議会議事堂乱入を踏まえて国民の結束を訴える。

 演説でバイデン氏は、トランプ氏がかき立てた国民の分断の解消を呼び掛ける。新型コロナウイルス感染症(COVID19)により全米で40万人近くが死亡し、景気は急速に低迷、さらに議事堂乱入事件によりウォーターゲート事件以来最悪の政治危機が訪れる中で、現政権は4年間の幕を下ろす。

 バイデン氏の顧問らによれば、演説では同氏に投票しなかった人々にも支持を呼び掛け、深刻化している政治的分断を埋めることを目指す。同氏は思ったことをそのまま口にしがちなところがあるが、分断解消を目指し国民の幅広い支持を得るためにはそうした傾向から抜け出す必要がある。15日にはマスク着用を拒む共和党議員らに対し、「大人になれ」と発言していた。

 また結束を訴えるメッセージは、議事堂乱入事件を受けた民主党主導でのトランプ氏の弾劾訴追により影響を受ける可能性がある。上院での弾劾裁判はトランプ氏の退任後に進む予定で、それがバイデン新政権の船出に暗い影を投げ掛け、沈静化を目指す党派間の対立を逆にあおる恐れがある。

 バイデン氏は演説で、待ち受ける困難への対応を真摯(しんし)に訴える。ただ内容は前向きなものになると見込まれ、正しい政策を実行し、ワシントンでわずかながらでも礼儀や謙虚さが示されれば、米国がパンデミック(世界的大流行)の発生以前よりも良い状態になる道を見いだすことが可能だと強調する意向だ。

 ホワイトハウスの広報部長に就任するケイト・ベディングフィールド氏は17日のABCの番組「ジス・ウィーク」で就任演説に関し、「バイデン次期大統領はこの国を結束させなければならないと考えている。それは過去4年間の分断と憎悪から真の心機一転を図る機会となるだろう」と語った。

 次期政権の大統領首席補佐官を務めるロン・クレイン氏はバイデン氏について、「極めて困難な時期の就任となる。恐らくルーズベルト大統領就任時以来で最も困難な局面だろう。一連の危機に直ちに取り組む決意での船出だ」と指摘した。フランクリン・ルーズベルト氏が就任した1933年当時、米国は大恐慌のさなかにあり、ドイツではヒトラーが権力を掌握しようとしていた。(ブルームバーグ Jennifer Epstein)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus