海外情勢

マレーシアのパーム油収穫「二重苦」で痛手 世界2位も人手不足・洪水で打撃

 世界2位のパーム油生産国マレーシアで、農園が人手不足と洪水被害の二重苦に直面している。同国最大級のパーム油生産地であるサバ州やサラワク州などの一部では豪雨が引き金となり鉄砲水が発生している。パームヤシは水分を多く必要とし、雨の多い気候には強いものの、長引く洪水により収穫期を逸しパーム油の品質低下を招いたり、収穫した果実の工場への運搬経路が断たれたりすることが懸念される。

 パームヤシ・ココナツの栽培加工会社を経営するユナイテッド・プランテーションズのカール・ベック・ニールセン氏は「ジョホール州、パハン州、ペラ州の栽培地で広範な被害が出ている。2~3週間にわたり水位が約60~90センチに及んでいる箇所が多数あり、収穫量の減少は避けられない。農園への立ち入りや収穫、収穫物の搬出は不可能だ」と話す。

 サラワク・パーム油農園主協会(SOPPOA)のアンドリュー・チェン最高経営責任者(CEO)によると、パームヤシ栽培で国内第2位のサラワク州はこの先2カ月の収穫量の落ち込みが当初予測の15~20%よりも大きくなる可能性がある。

 さらに洪水が長引く要因となる、極端に大きな潮の満ち引きが予想されており、州の中でも標高が低い地域にある農園の多くが影響を受けかねない。また、新型コロナウイルス感染拡大と移動規制で全体の被害状況を把握するのは不可能だという。

 こうした事態に、マレーシアが1月13日から再導入したロックダウン(都市封鎖)と、発令期限が8月まで続くかもしれない非常事態宣言が追い打ちをかけ、パーム油産業が渇望する外国人労働者の補充は厳しい状況となっている。栽培面積で世界第1位のサイム・ダービー・プランテーションは、積極的な募集を行っているものの、国内事業では約4000人分の労働力が不足しているという。

 ユナイテッドのニールセン氏は「労働力の不足は6カ月前と比較して一段と深刻化している。昨年収穫に結び付かなかった360万トンのうち90%近くが労働力不足が原因だ。労働力不足の影響は4月から10月にかけて出始め、今年の収穫高は、昨年の1914万トンから1860万トンに落ち込みそうだ」と話した。

 農園経営者らは外国人労働者不足の軽減に向け、感染の検査と隔離の費用を農園側で負担し、安全性を確保した入国方法の承認を政府に求めている。(ブルームバーグ Anuradha Raghu)

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