海外情勢

中国「国産機」年内引き渡し 欧米航空機に対抗、計画が最終段階

 航空機最大手の欧州エアバスや米ボーイングの狭胴機に対抗できるジェット旅客機製造を悲願とする中国が、計画が大幅に遅れながらもプロジェクトの最終段階に入った。

 国有の中国商用飛機有限責任公司(COMAC)は、年内に同社初の狭胴機「C919」の引き渡しを行う。ゼネラルエンジニア、ヤン・チーカン氏の発言を引用し、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報が伝えた。

 エアバスのA320やボーイングの737型と競合するC919は最初のテスト飛行を2017年に実施したものの、旅客を乗せた商業飛行は行っていない。

 航空コンサルティグ会社CAPAのピーター・ハービソン名誉会長は「C919の引き渡しが予定通り進んだとしても、COMACが欧米2社の本格的な脅威となるのは何年も先だ。COMACが主流となる非中国系顧客に『新しい機体に賭けてみよう』と説得できる十分な機体数を販売するまでには至らないだろう。航空会社は生産中止の可能性がある機種の購入に高額を投じたくない。また、大量注文で割り引きでの購入を選択する航空会社もあるだろうが、その場合、部品の入手や修理などのサポートに不安が残る」と指摘する。

 COMACがこうした長期計画を推進できる背景には、エアバスやボーイングに対する依存を減らしたい習近平政権の強い意向がある。ヤン氏はロシア企業と協働開発中の広胴機「CR929」の生産を開始するとしており、COMACは今年、C919よりも大掛かりなプロジェクトを推進する。

 ただ、C919は中国国内で製造するとはいえ、重要な部品の多くを米ゼネラル・エレクトリック(GE)などの外国企業に依存し、純国産とはいえない。トランプ前米政権は政権移行直前に、米企業による投資を禁止するブラックリストにCOMACを載せた。非上場の同社にとり直接的な影響はほとんどないが、COMACに出資する中国航空工業集団(AVIC)を含むリストアップされた企業の一部は、米国の技術利用を制限されるなど一段と厳しい制裁の対象となった前例がある。(ブルームバーグ Bruce Einhorn)

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