海外情勢

米追加策、経済改善で難航も 1.9兆ドル案に一部議員から反対の声

 米経済が昨年末の成長鈍化から一転して上向きの兆候を見せバイデン大統領が提示した1兆9000億ドル(約200兆円)規模の経済対策案の必要性に疑問の声が上がり始めた。議会通過を目指す取り組みが難航する可能性が出てきた。

 下院本会議は3日、2021会計年度(20年10月~21年9月)予算の大枠となる予算決議案を賛成多数で可決した。バイデン大統領が提案した経済対策案を早期採決する道筋を整える。採決結果は賛成218、反対212。上院も週内に同内容の決議案採決を計画している。上下両院で可決されれば、両院の担当委員会は予算決議の指示に従って経済対策案の内容を財政調整法案に反映させる。下院は早ければ23日に同法案を採決する可能性がある。

 しかし、足元では米新規失業保険申請件数が2週連続で減少。5日に発表される1月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が増加に転じる見込みだ。米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景況指数は予想外に活動拡大が加速し、ほぼ2年ぶりの高水準となった。

 さらに、週間の消費者信頼感指数やレストラン予約件数といった比較的更新期間の短い一部指標も、新型コロナウイルスの感染拡大鈍化や事業活動の制限緩和に伴い景気の改善を示している。

 オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は、「表面下では成長の動きが広がりつつあるのが分かる」と指摘した。

 このように経済が差し当たり改善の兆しを見せる中、既に実施・成立済みの計3兆ドル余りの支援策に加え、バイデン大統領が提案しているような追加の大規模経済対策が必要かどうか疑問視する一部議員からは、これに反対する声が上がっている。

 バイデン政権当局者はこうした動きに対し、新型コロナ禍を受けた雇用喪失などを理由に、大胆な行動の必要性を強調。ホワイトハウスのディーズ国家経済会議(NEC)委員長は1月31日、NBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、「断片的な手法では成功は期待できない」と語った。(ブルームバーグ Rich Miller、Katia Dmitrieva)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus