海外情勢

企業にビットコイン熱 テスラ投資で最高値、決済用に追随の動き

 暗号資産(仮想通貨)ビットコインが9日のアジアでの取引で4万8000ドルを突破し、過去最高値を更新した。米電気自動車(EV)大手テスラが総額15億ドル(約1580億円)のビットコインへの投資を公表し、EV代金の支払い手段としても受け入れる意向を示したことが相場を押し上げた。ビットコインは、手元資金として活用する企業や自治体が増加するとみられており、年内に10億ドルの大台を突破するとの予測も浮上している。

 ブルームバーグのまとめによればビットコインは同日、一時7.9%高の4万8215.83ドルに達した。8日の取引で一時16%高を付け、その後も続伸した。他の暗号資産も軒並み高となった。

 「当初は限定的」

 テスラのマスク最高経営責任者(CEO)は8日の米証券取引委員会(SEC)への届け出で、投資方針を改定してビットコインに投資したことを明らかにした。この中で「当初は限定的な形となるが、製品代金の支払い手段としてビットコインの受け入れを近い将来開始する」と表明した。今後も随時あるいは長期的に暗号資産を取得・保有する可能性があるとしている。EV業界をリードする同社の支持は、有力企業からこれまでで最も大きな信認が得られたことを意味する。

 テスラの投資を機に、世界中の企業財務担当者が仮想通貨への投資を無視できなくなった。

 これまでも、マイクロストラテジーやスクエアなどの企業がビットコインに投資していたが、S&P500種株価指数の構成銘柄で4番目に大きく、世界一の富豪が率いるテスラが加わったことで、企業がビットコインを取り入れるという議論に弾みがついた。

 ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのデービッド・グライダー氏らストラテジストは8日のリポートで「企業には仮想通貨に投資する根本的な理由があり、他社もテスラに追随するだろう」と分析し、支払い手段として受け入れられることが増えるなどと言及。「一夜にして変わるわけではないが、企業の財務部門に浸透していく余地はあり、トレンドは続くと思う」と論じた。

 年内10万ドルの予想も

 仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルの創業者マイケル・ノボグラーツ氏は8日、ブルームバーグ・テレビのインタビューで購入代金支払い手段としてビットコインの使用を顧客に認める企業が増えるとの見通しを示した上で、ビットコインが年内に2倍以上の10万ドルに上昇すると予想した。

 企業向けソフトウエアを手掛ける米マイクロストラテジーCEOで企業による手元資金としてビットコイン採用を熱心に支持してきたマイケル・セイラー氏はブルームバーグ・テレビのインタビューで「拡張的な金融環境では希少資産が必要だ。世界で最も希少な資産がビットコイン。デジタル版ゴールドだ」との認識を示した。

 ビットコインは現行ではマイニング(採掘)報酬として発行される上限が2100万BTCとされ、2140年には同水準に達する見込み。(ブルームバーグ Lynn Thomasson、Olivia Raimonde)

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