海外情勢

米ハリウッド、中国攻略に壁 V字回復市場でシェア低下、政治リスクにも直面 (1/2ページ)

 中国で新型コロナウイルスの感染が抑制される中、映画館に客足が戻り、2021年の年間興行収入は過去最高をうかがう勢いだ。コロナ禍で低迷する米国市場に見切りを付けた米ハリウッドの映画産業も、中国市場攻略に本腰を入れているが、政治的なハードルに直面している。

 ◆大型作品公開の要

 春節(旧正月)入りした12日の映画興行収入は過去最高を記録した。映画のチケット販売などを手掛ける猫眼電影によれば、春節連休初日から5日間のチケット販売は57億元(約930億円)に達し、19年の水準を上回った。

 コンサルティング会社アーティザン・ゲートウェイの創業者ランス・パウ氏によると、中国の映画興収は今年600億元と大きく持ち直し、19年に記録した過去最高の640億元に迫る可能性がある。

 一方、ウェドブッシュ・セキュリティーズによると、新型コロナの感染が続く中、米国市場はその約3分の1にとどまる見通しだ。ハリウッドの映画会社が対中依存を強めざるを得ない事情が浮き彫りになっている。

 新型コロナによる映画館の休業期間が米国より短かった中国は昨年、米国を抜き世界最大の映画市場となった。しかし、米映画産業には現在、中国市場攻略に向け乗り越えなければならないハードルがある。

 中国人客は米国との地政学的対立が激しくなる中で中国語作品を選好している。また、欧米による中国や中国人の描写に対しても敏感になっている。

 猫眼によれば、中国興収全体に占めるハリウッド作品を含む外国映画のシェアは20年に16%と、前年の36%から大きく低下。新型コロナで映画製作が計画通りに進まず、昨年は中国で封切りされた外国作品が減った。

 米バージニア大学のアイン・コーカス教授(メディア研究)は「中国市場は今や大型作品公開の要だ。大ヒット作の予算回収で中国に依存してきたハリッドの製作会社にとって、市場シェア低下は憂慮すべき状況を示している」と指摘する。

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