海外情勢

テスラが脆弱送電網を補完か、テキサスで電力事業 巨大蓄電施設を非公表で建設

 米電気自動車(EV)大手テスラのマスク最高経営責任者(CEO)は、テキサス州の電力市場に参入する。州の送電網に接続する巨大蓄電施設の建設を非公表のまま進めており、米国のエネルギー産業が集積する同州の電力事業に初めて進出する。テキサス州の送電網は脆弱(ぜいじゃく)で、先月には破綻寸前に追い込まれた。

 脆弱送電網を補完か

 テスラ子会社のガンビット・エナジー・ストレージはヒューストンの南方約40マイル(約64キロ)に位置するアングルトンに、10万キロワットを超える蓄電施設を建設している。これは夏の猛暑時に1日約2万世帯に電力を供給できる規模。作業員らは機器などを覆いで隠し、第三者がのぞかないようにしているが、作業員のヘルメットにはテスラのロゴが見られ、公的な文書からもテスラの関与が確認された。

 この施設はテキサス州で電力網を運営する電気信頼性評議会(ERCOT)に登録されており、テキサス・ニューメキシコ・パワーの変電所に隣接している。ERCOTのシステム計画担当シニアディレクター、ウォーレン・ラッシャー氏によると、6月1日の商業運転開始日が提示されている。蓄電池の耐用年数は不明だ。

 洗練されたバッテリー駆動のEVで知られるテスラだが、「持続可能なエネルギーへと世界の移行を加速する」ことを企業理念に掲げ、常に自動車メーカーの枠を超えている。

 同社のエネルギーへの注力は、競争が激化するEVの製造・販売事業に後れを取ることが頻繁にあるが、マスク氏と経営陣はエネルギー事業を成長の重要な部分だと強調し続けている。マスク氏は2020年7月の決算発表時に「長期的にエネルギー事業は自動車事業とほぼ同規模になると考えている。エネルギーの事業規模はトータルでみると自動車より大きい」と話していた。

 EV事業同様の規模

 パイパー・サンドラーのアナリスト、アレクサンダー・ポッター氏によれば、テスラのエネルギー事業が同社の総収入に占める割合は現在、およそ6%だが、30年代までに最大3割に増える可能性があるという。同氏は、テスラが設計した電力取引用のソフトウエア「オートビッダー」の可能性を強調。テスラのカークホーン最高財務責任者(CFO)はオートビッダーについて「高頻度取引を行う自律型電力市場参加システム」と説明している。

 ウッドマッケンジー・パワー・アンド・リニューアブルズで蓄電部門を率いるダニエル・フィン・フォリー氏は「テスラの蓄電事業はパーセンテージで自動車事業より急速に成長しており、加速するだけだ。プレーヤーとして尊敬されているのは間違いなく、価格面で積極的に競っている」と評価している。(ブルームバーグ Dana Hull、Naureen Malik)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus