海外情勢

中国締め付け強化、IT大手の影響力排除 アリババに報道部門の売却迫る

 中国共産党がアリババグループなど中国IT大手に対する締め付けを強めている。習近平総書記(国家主席)は関係部門に「プラットフォーム」企業の市場支配力拡大阻止に向けた監督強化を指示。騰訊控股(テンセント)の金融事業がやり玉に挙がるとみられている。アリババに対して、傘下のメディア企業を売却するよう圧力をかけていることも明らかになった。

 習氏、異例の強い調子

 中国国営中央テレビ(CCTV)によると、習氏は15日の党中央財経委員会の会議で、インターネット企業の監督強化や独占への断固とした対応、公平な競争促進、資本の無秩序な拡大防止を監督当局に指示した。同氏は「ネット企業はデータセキュリティーを強化し、金融活動を当局の監督対象とする必要がある」とも語った。

 異例の強い調子で発せられた今回のコメントは、現時点でアリババや同社傘下のアント・グループを中心に進められている民間大手の影響力抑制に向けた取り組みを中国当局が今後強化する構えであることを示している。プラットフォーム経済という用語は滴滴出行や美団、JDドットコム(京東)、●多多(ピンドゥオドゥオ、●=てへんに并)など何億人もの利用者にサービスを提供するモバイル・ネット大手の多くに適用される可能性がある。

 CCTVは「一部のプラットフォーム企業は変則的な方法で発展しており、リスクを示している。空白や抜け穴を適時ふさぐため、プラットフォーム経済に関する法規の見直しを加速する必要がある」とする同会議の文書の内容を報じた。

 テンセント金融標的

 関係者によると、アントに事業見直しを命じた規制当局は、次の標的としてテンセントの1000億ドル(約10兆8000億円)規模の金融事業に照準を合わせている。関係者の1人は、アントと同様、テンセントも銀行や保険、決済サービスを含める金融持ち株会社の設立を義務付けられると指摘した。

 関係者によれば、アントとテンセントは規制強化の順守で他のフィンテック事業の前例になる見通しだ。こうした動きは同国の巨大ハイテク企業の影響力の抑制に向けた取り組みがさらに加速することを示している。当局による締め付けが強まる中、昨年にはアントの350億ドル規模の新規株式公開(IPO)が頓挫し、ハイテク企業による独占的な行為の阻止に向けた新たな規則案が公表された。

 関係者によると、政府は国内世論にアリババが及ぼす影響力を懸念し、同社傘下の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)などのメディア企業を売却するよう求めている。

 政府は昨年、アリババとアントに対する取り締まりに乗り出したが、主な標的となったのがアリババの共同創業者、馬雲(ジャック・マー)氏だった。馬氏とアリババは長期にわたりメディア企業の買収を着々と進めており、現在は米バズフィードのようなオンラインメディアや新聞、テレビ番組制作会社、ソーシャルメディア、広告と多岐にわたるメディア企業を抱えている。ミニブログの微博(ウェイボ)やSCMPなどのオンライン・紙媒体メディアの過半数株式も保有している。

 関係者によれば、SCMP売却の議論は昨年始まった。買い手は特定されていないものの、中国企業になる見込み。(ブルームバーグ Zheping Huang、Coco Liu)

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