海外情勢

アラブ版クックパッド好評 66万レシピ掲載、難民・女性交流も支援

 日本のレシピ情報サービス「クックパッド」が、アラビア語版をアラブ諸国約20カ国や欧米移民に向けて展開中だ。イスラム教の戒律に対応、日本のレシピ約350万品に対し約66万品まで成長した。難民の文化維持や、イスラム教の保守的な社会で女性の交流支援にもつながっている。

 「自己流でない調理法が分かる。アラブ各地の料理が学べる」。サウジアラビア西部タイフの主婦、アマニ・ガンダルさんは喜ぶ。2年ほど前から毎日利用。アルジェリアなど北アフリカで食べられる「クスクス」といったサウジでは珍しい料理を調べている。

 アラブ諸国のレシピサイトでは、エジプトの「CBCソフラ」やアラブ首長国連邦(UAE)の「アトヤブタブハ」があるが、クックパッドは大規模な利用者の投稿に頼る点が特徴だ。

 レバノンの首都ベイルートでクックパッドの現地責任者を務めるセザール・ジェマイルさんは、もともとは独自のサイトを運営していた。2009年に欧米の留学生らに向け開始。ちょうどアラブ各国で核家族化が進んだ時期に当たり、閲覧数が増えた。

 レバノン料理は野菜や豆が多く使われ、ヘルシー食として世界的に人気だ。クックパッドはベイルートに拠点を置けば数億人のアラビア語話者にアピールできると見込み、14年にジェマイルさんの会社を買収した。サイトのレシピ数は3倍以上に充実、新型コロナウイルス流行で自炊が増えたことも追い風となった。

 イスラム教に配慮し豚肉や酒を使うレシピは除外。各国の方言にも対応し、エジプトのパン「エーシュ」で検索しても、標準アラビア語のパン「ホブス」の料理が表示される。

 イスラム教保守派は親族以外の異性との交流を避けるため、妻や娘が会員制交流サイト(SNS)を使うのを嫌う。料理を通じた交流なら禁止する夫はおらず「孤独な主婦の気晴らしになっている」(ジェマイルさん)。

 クックパッドの保田朋哉執行役は「ドイツにいるシリア難民も利用している」と話す。紛争地を逃れた人々が故郷の味を守ることにも役立っているという。(ベイルート 共同)

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