海外情勢

露、中国に石炭輸出拡大へ 脱炭素化進む欧米向け鈍化見据え

 世界2位の石炭埋蔵量を持つロシアが、世界最大の需要がある中国などアジア向け輸出の拡大を目指している。温室効果ガス排出削減のため石炭利用の抑制を図る欧米の流れに逆行し、シベリアなどの産地から極東の港への輸送力を引き上げる鉄道インフラの改善を急いでいる。

 ロシア国内では自国産の天然ガスへの切り替えが進み、石炭の内需は頭打ち。環境規制を厳格化する欧州向けは伸びが期待できず、輸入拡大が見込まれる中国を狙う。

 プーチン大統領は3月の会議で「アジア太平洋で拡大する需要をロシア企業が満たせる。物流を柔軟に活用し、この機を逃さないことが重要だ」と強調し、極東に向かうシベリア鉄道とバム鉄道(第2シベリア鉄道)の輸送能力の拡大を着実に進めるよう求めた。ミシュスチン首相は直後に関係閣僚らを引き連れ、大産炭地の西シベリア・ケメロボを訪問。鉄道整備の早期実現を約束した。

 英石油大手BPによるとロシアの2019年の石炭埋蔵量は世界の15%相当の1621億トンで、生産量は4億4000万トン。うち輸出が半分を占め、オーストラリアなどに次いで世界3位だ。

 ロシアは欧米主導で進む「脱石炭」の潮流を警戒する。3月に閣僚から温室効果ガス削減の実証試験について報告を受けたプーチン氏は「脱炭素化は重要だが、それが利己的な経済上の目的達成の道具となったり、わが国が犠牲になったりしないことも重要だ」と述べた。(ウラジオストク 共同)

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