国内

脱炭素、最低100カ所で先行 「地域脱炭素ロードマップ」素案

 2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロに向け、政府が地方自治体と協議して策定する工程表「地域脱炭素ロードマップ」の素案が判明した。農山漁村や離島などから少なくとも100カ所を「先行地域」として選び、家庭などで使う電力を再生可能エネルギーで賄うなどして、実質的に排出量をゼロにする「脱炭素」を30年度までに実現。モデルとして他地域への波及を狙う。排出削減に協力した住民へのポイント付与制度普及も進める。

 20日開催予定の「国・地方脱炭素実現会議」で素案を提示し、6月までに正式決定する方針。ただ人材不足や財政難に悩む自治体は多く、政府のシナリオ通りになるかどうかは見通せない。

 先行地域は必ずしも市町村全域を単位とはせず、市町村内の一部地域でも可能とする。各地からの申請を受けて選定する。地域の特性に応じ、導入可能な再生エネを最大限活用。30年度までに家庭や飲食店などの電力消費に伴う排出量を実質ゼロにする。

 農山漁村では地熱発電や再生エネを活用した農業、離島では洋上風力発電や船舶の電動化、都市部では住宅や立体駐車場などの屋根への太陽光パネル設置などを具体策として想定する。

 新築の住宅や公共施設、民間ビルでは省エネも組み合わせて対策を進める。自家用車や公用車はできるだけ電動車に切り替える。

 一部自治体では、ごみ拾いなどに対し、地域内で使えるポイントを付与している。排出削減でのポイント制度導入も促し、住民の協力を広げたい考えだ。

 取り組みに当たっては市町村が主導、調整役となり、地域の中核企業や金融機関、農家などと連携。政府は人材の派遣や育成、関連手続きの簡略化などで支援する。洋上風力の導入に向けた法整備も検討する方向だ。

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【用語解説】国・地方脱炭素実現会議

 2050年までの脱炭素社会実現に向け、国と地方自治体が生活に密接な分野での取り組みを協議する場。加藤勝信官房長官や小泉進次郎環境相ら関係閣僚のほか、長野県や横浜市、岩手県軽米町、長崎県壱岐市などの首長で構成する。昨年12月に初会合を開催。今年6月までに「地域脱炭素ロードマップ」を策定する。

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