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秋田の単一JA構想暗礁に 「メリット見えぬ」離脱相次ぐ

 米どころの秋田県で、県内全13JAを統合し、1つにする構想が暗礁に乗り上げている。財政基盤や農作物の販売力強化を掲げ2024年の統合を目指してきたが、すでに2JAが離脱を表明。組合員からは「メリットが見えない」と不安視する声が上がり、統合を進めたいJA秋田中央会と温度差が生じている。

 農業従事者や組合員が減少する中、全国的に「1県1JA」の検討が広がる。JA全農によると、奈良や島根など5県で実現し、福井や大分など5県で統合が具体的に進んでいる。秋田では18年11月に構想が始動。実現すれば単独の農協としては正組合員数で全国1位、販売品取扱高で2位となる見通しだった。

 事務機能の集約で経費削減などが期待されたが20年3月、統合の素案が発表されると早々に、JA秋田やまもと(三種町)が統合に向けた協議会からの離脱を決めた。21年3月にはJA大潟村も離れた。メリットの不透明さが理由だった。

 JA大潟村は組合員のほとんどが専業農家で収入が安定、経営も順調だ。小林肇組合長は「後継者問題や収益悪化もなく、今後10年間単独で経営できる」と話す。2月、全組合員に行った意向調査では87.4%が合併に反対した。統合後、職員数や支店数の合理化で、職員と組合員の距離が遠くなり、営農指導が受けにくくなることなどを懸念する意見が多かった。

 組合員の今野茂樹さん(67)は「収益が悪化した他JAの尻拭いをさせられるのでは」と危ぶむ。60億円超の巨額赤字を出したJAなど経営が厳しい組織も多く「救済のための合併はリスクがある」と反対だ。

 「組合員の減少は年々進み、このままでは各JAや農村がもたない。最初から全JAの統合は難しくても、1農協を目指す姿勢は変わらない」と秋田中央会の斉藤一志会長は強調するが、中央会が組合員を納得させられる具体的なメリットを提示できるかどうかがポイントとなりそうだ。

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