国内

ワクチンパスポート要望 経団連、政府に「早期導入を」

 経団連の古賀信行審議員会議長は26日、西村康稔経済再生担当相とのテレビ会議で、海外渡航の際に新型コロナウイルスのワクチンを接種したことを証明する「ワクチンパスポート」の制度導入を要請した。経団連では実現に向けた専門部会を近く設置する。海外とのシステム共通化のあり方や、実用化の課題などを議論し、報告書をまとめ、政府に対しワクチンパスポートの早期実現を促す。

 経済界からはコロナ感染の水際対策で、出入国に大きな制限がかかるため、駐在員の派遣や帰国が難しかったり、大型商談のための海外出張ができないとして、往来再開を求める声が強まっている。

 海外ではワクチン接種を受けたことをスマートフォンのアプリ上で証明するワクチンパスポートを活用することで、出入国を緩和し、経済の活性化につなげようという動きが出ている。欧州連合(EU)では、今夏をめどに「デジタルグリーンパス」を導入予定で、欧州27カ国の住民が加盟国を往来する際に利用できるようにする。また、タイでも海外渡航向けのワクチン接種証明書の発行を始めた。

 これに対し、日本政府は明確な方針を示せておらず、26日のテレビ会議で古賀氏は「どの省庁が担当するかなどの問題があるが、導入するかしないかも含めて検討を早く始めてほしい」と要望した。菅義偉首相が9月までに、すべての対象者に確実にワクチンを供給できるめどが立ったと表明し、接種者が増え、海外との往来が可能になる環境が整備されることから早期に準備を進めてほしい考えだ。

 経団連としては、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが提唱する世界共通のワクチン接種情報の連携システムである「コモンズ・プロジェクト」を、日本でも取り組むことが効果的とみている。

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【用語解説】ワクチンパスポート

 新型コロナウイルスのワクチンと、海外旅行に必要なパスポートを組み合わせた造語で、ワクチン接種者に国などが発給する証明書の総称。海外渡航の際に検査や入国後の隔離措置を簡略化しようと、世界規模での利用に向けた検討が進む。英語のつづりは「VACCINE PASSPORT」。接種が最速レベルで進むイスラエルでは「グリーンパスポート」の名称で広がり、スマートフォンのアプリ画面などを提示することで劇場やプールを利用できる。(共同)

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