海外情勢

「対中競争」米勝利へ決意 バイデン大統領が施政方針演説

 バイデン米大統領は28日、上下両院合同会議で施政方針演説に臨み「中国や他の国々と競争し21世紀を勝ち抜く」と述べ、中国への対抗姿勢を鮮明にした。「専制主義が未来を勝ち取ることはない」と批判し米国が勝利すると強調。「米国は再び動きだしている」と国家再生を宣言した。

 議会演説は1月の就任後初めて。29日で政権発足100日となり、これに合わせて成果を訴えた。トランプ前政権下の混乱や新型コロナウイルスの危機、景気後退からの脱却を加速する構えだ。

 経済対策として、インフラ投資など総額4兆ドル(約430兆円)規模の成長戦略を通じ、雇用創出と格差是正を図ると表明。巨額の財政出動で「大きな政府」への傾斜を明確にした。歳出拡大に伴う増税については富裕層や大企業に「公平な負担」を求めるとし、中間層の底上げで経済成長を図る方針を示した。

 対中国では「紛争を防ぐため、米国はインド太平洋で強固な軍事力を維持すると習近平国家主席に伝えた」と説明。「不公正な貿易慣行や知的財産、技術の窃取に立ち向かう。次世代の技術で優位に立たなければならない」と述べ、安全保障や経済など幅広い分野で対抗する決意を表明した。

 気候変動問題は「地球規模の闘いだ」と各国に協力を求めると同時に、米国内での対策を雇用拡大や国民の収入増に結び付けると指摘。再生エネルギー分野の生産力増強などを通じた産業構造の転換を打ち出した。

 トランプ支持者による連邦議会議事堂襲撃などで民主主義が「けがされた」とバイデン氏は指摘。中国やロシアなどの専制主義国家に優位を譲らないため「民主主義が機能することを証明しなくてはならない」と訴えた。アフガニスタン駐留米軍については9月11日までに完全撤退させる考えを再度表明した。(ワシントン 共同)

【用語解説】米大統領の施政方針演説 米大統領が「連邦の現状」を議会に報告することを規定した合衆国憲法に基づき、年頭に上下両院合同会議で、現状の報告に加え、内政・外交政策全般を説明する一般教書演説を行う。新大統領が就任した年は、まだ現状を十分に把握していないと考えられるため、議会演説を行わないのが慣例だった。最近は1期目最初の年でも政権の目標を合同会議に示すようになった。連邦の現状報告がないこの演説は便宜上、施政方針演説と呼ばれる。(ワシントン 共同)

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