海外情勢

米が特許保護の除外を支持 ワクチン普及、WTO交渉に積極参加

 米通商代表部(USTR)は5日、新型コロナウイルスワクチンについて、製薬大手各社などが持つ特許権など知的財産権保護の適用除外を支持すると表明した。富める国と貧しい国のワクチン格差が拡大する中、世界的な供給を増やす取り組みに米国も加わる。

 USTRのタイ代表は同日インタビューに応じ、「世界貿易機関(WTO)で提示された権利放棄に賛成であり、権利放棄の提案者が達成しようとしていること、つまりワクチンへのアクセス改善、製造能力の向上、接種の拡大に賛成だ」と述べた。

 タイ氏によると、バイデン政権は今後、権利放棄の文言をめぐるWTOでの交渉に積極的に参加し、各国に支持を呼び掛ける方針。関係者によると、同氏からバイデン大統領には4日に説明が行われたという。

 米国の立場を打ち出すに当たり、タイ氏とバイデン政権チームは、技術革新を阻害せずに人命を救う結果になることを保証するために、競合する利害関係者らの見解のバランスをとる必要があった。製薬業界はワクチンに関する技術を中国、ロシアに引き渡せば競争力が損なわれると主張。それに対しタイ氏は、4月のバーチャル形式でのWTO会合で「コロナ禍でヒーローになる機会がある」として業界に貢献を求めた。

 ただ、問題が複雑であることに加え、WTOの意思決定が加盟国の全会一致を原則としていることを踏まえると、交渉には時間がかかる。タイ氏は実現が容易ではないことを認めた上で、「加盟国が一丸となれるかにかかっている」と語り、オコンジョイウェアラWTO事務局長の取りまとめの手腕を見極めたいとの意向を示した。

 米国以外にも、欧州連合(EU)や英国、日本、スイス、ブラジル、ノルウェーもこの取り組みに抵抗してきた。新型コロナワクチンの特許保護除外の支持者らは、米国がリーダーシップをとることで抵抗する他の国々に影響を与える可能性があるとしている。

 タイ氏は「危機的状況にあることを考えれば、この問題はWTOが人々を助け、状況を改善するために団結できる最高の機会になる」と強調した。(ブルームバーグ Jenny Leonard、Eric Martin)

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