海外情勢

“空の聖域”に一般客が殺到、ビジネスクラスで密を回避 節約マネー投入 (1/2ページ)

 航空便の運航再開に伴い、観光・レジャー目的の旅行者の間で新型コロナウイルス感染症対策として、ビジネスクラスが人気を博している。少なくとも新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で世界の航空業界が壊滅的な状況に追い込まれるまでのビジネスクラスは、裕福な人々向けの静かで広々とした聖域だった。だが、かつての排他的な安らぎの場所にこれまで無縁だった一般の客が押し寄せている。

 マイル貯蓄は記録的

 1年間旅行を控えた旅行客らは金銭的に余裕があり、マイル貯蓄は記録的水準に達している。彼らは密な状態のエコノミー席で感染するリスクを最小限に抑えようと、旅行再開に当たりプレミアムシートに飛びついている。

 航空会社は2021年末までに1740億ドル(約19兆円)と驚異的な額の損失が予想される。この危機的状況を乗り越えなければならない各社にとって、普段はエコノミークラスに搭乗するような乗客を中心に、利益率の高い座席に人気が集まるのは予想外の恩恵だ。中東や英国、米国でワクチン接種のペースが加速するのに伴い、収入回復に迫られる航空会社にとって、カネ払いに気前の良い行楽客は新たな市場として浮上している。

 ニューヨーク在住のジェニファー・アーノルドさんは熱心なダイバーだ。既に退職しており、5月にカタール航空でドーハを経由してモルディブに渡航する。ワクチンを接種したとはいえ、ビジネスクラスの座席確保は不可欠だという。

 「正しくは、人が少ないエリアに座ろうとしたというところだ。世界のこれだけ多くの地域で新型コロナが今も猛威を振るう中、エコノミー席に座らなければならなかったら今回の旅には行かなかった」とアーノルドさんは説明する。

 こうした人々がビジネスクラスの常連になる可能性は十分にある。独ルフトハンザ航空や英ヴァージン・アトランティック航空などは、世界でかつて知られていたようなビジネス客の出張需要が一体、危機以前の水準に戻るのかどうかと疑問視し始めている。つまり、少なくとも今後数年間は、現金、マイレージ(ロイヤルティー)プログラムでたまったポイント、あるいはその両方を組み合わせた一般人向け販売価格のプレミアムクラスの座席が安定供給されることになる。

 ヴァージン・アトランティック航空のシャイ・ワイス最高経営責任者(CEO)は4月19~23日にオンラインで開催されたワールド・アビエーション・フェスティバルで、「個人的にビジネス目的の出張は減少していると思う。プレミアムなレジャー市場が出現しそうだ。人々はかなり節約しており、自分へのご褒美を楽しむだろう」と語った。

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