海外情勢

アマゾンがMGM買収へ 1兆円規模、映画大手取り込み娯楽事業再編

 米アマゾン・コムが「007」シリーズなどを手掛ける米映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の買収に向け協議入りしたことが分かった。複数の米メディアが関係者の話として伝えた。アマゾンはMGM買収を娯楽事業再編につなげる計画とみられている。

 実現なら過去最大

 米ニュースサイトのジ・インフォメーションと米娯楽産業誌バラエティーはMGMの買収がアマゾンの映像配信事業の強化に資すると報じた。バラエティーによると、アマゾンは約90億ドル(約9800億円)でMGMを買収する方向で、数週間にわたり交渉しているという。実現すればアマゾンの娯楽事業拡大の動きとしては過去最大規模となる。

 MGMをめぐっては数年前から複数の企業が買収を検討していたが、交渉がまとまらなかった経緯がある。同社は昨年、身売りに向け助言会社を起用したと報じられた。ストリーミングサービスが拡大する中、同社の幅広い作品群への需要が高まっている。

 MGMは他の計画についてもハイテク大手と協議している。「ロッキー」や「羊たちの沈黙」などの映画作品を抱えるMGMは「007」シリーズ最新作を動画ストリーミングで直接配信する計画をめぐりアップルやネットフリックスと協議していたが、MGMは昨年、映画館で公開(米国では10月8日)することを決めたと表明した。

 一方、アマゾンは元幹部ジェフ・ブラックバーン氏の復帰を機に娯楽事業の再編に注力している。同氏は同社を休職した後、米ベンチャーキャピタル、ベッセマー・ベンチャー・パートナーズに勤務していたが、現在は「プライム・ビデオ」や「アマゾン・スタジオ」、ゲーム配信サイト「トゥイッチ」など娯楽部門を統括している。バラエティーによると、交渉はアマゾンの映像部門幹部を務めるマイク・ホプキンス氏とMGMの取締役会議長であるケビン・ウルリッヒ氏が直接担当している。

 何度も経営難に直面

 MGMは1920年代にマーカス・ロウ氏が保有するメトロと映画製作者のルイス・B・メイヤー氏が経営する映画会社の統合により設立。「ドクトル・ジバゴ」や「2001年宇宙の旅」などの名作を手掛ける一方、20世紀後半には何度も経営難に直面した。同社は過去数十年にタイムや米ケーブルテレビ局CNN創業者のテッド・ターナー氏、米著名投資家の故カーク・カーコリアン氏に買収された経緯がある。

 ニューヨーク株式市場では、アマゾンが娯楽企業を買収するという観測が取り沙汰され、17日の取引ではMGMと名前がよく似た米カジノ大手MGMリゾーツの株価が瞬間的に5.8%上昇するという一幕もあった。(ブルームバーグ Kelly Gilblom、Spencer Soper)

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