海外情勢

英が「薬剤耐性」でG7に警鐘へ パンデミック懸念、新たな資金対策促す

 英政府は薬剤耐性菌対策への新たな資金拠出方法を策定するよう主要7カ国(G7)に求める方針だ。関係者が明らかにした。ネットフリックスのような定額制プランを導入し、機能不全に陥っている抗生物質市場のてこ入れを目指す仕組みが考えられる。

 関係者によると、英政府は「暗黙のパンデミック(世界的大流行)」と見なす薬剤耐性(AMR)の進行が新型コロナウイルス感染拡大で目立たなくなっているとの懸念から、新しい抗生物質の開発を製薬業界に促したい考え。世界保健機関(WHO)の2020年版報告書によると、AMRの疾患・感染による全世界の死者数は年70万人前後に上り、50年までには年1000万人に達する可能性がある。

 この問題はG7会合で財政問題というより医療問題として取り上げられることが多いが、6月のG7財務相会合を主催する英政府によると、AMRは根本的には経済問題で、世界の主要市場が協力する必要がある。

 ブルームバーグが入手した資料によると、英財務省は抗生剤新薬市場の活性化に向けた一連のG7政策提案を促す考えだ。

 新しい抗生剤は開発費用が推定10億ポンド(約1540億円)に上るが、医療機関は高額での購入に消極的だ。大手製薬会社は抗菌に関する研究をほぼ放棄し、WHOは新薬が「緊急に必要」だと20年版報告書で訴えている。

 関係者は「入手したい新薬の利用量ではなく、価値をベースに医療機関が年間定額で支払うモデルが英政府の提案の一つだ」と述べた。(ブルームバーグ Alberto Nardelli、John Lauerman)

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