海外情勢

韓国が違法漁業の撲滅決意、中国がリスク高める ハイテク監視強化

 韓国の文成赫(ムン・ソンヒョル)・海洋水産相は5月21日、ブルームバーグの取材に応じ、緊張する韓国の排他的経済水域(EEZ)周辺で中国の漁業が安全保障上のリスクを高めていると述べ、先端技術を展開して違法操業するトロール船を厳しく取り締まる決意を表明した。

 同相は違法漁業は「撲滅されなければならない」と述べ、アジア海域で多く見受けられる中国による挑発的な領海侵入停止を求めるアジア諸国の求めに同意した。韓国は長年、中国大陸と朝鮮半島の間にある黄海(韓国の呼称は「西海」)の北朝鮮沖にある同国施政下の島々近くで操業する中国のトロール船について、苦情を訴えている。

 同相は「外国の船舶であれ国内の船舶であれ、違法漁業は厳しく取り締まる」と強調、来年からはドローンと人工知能(AI)を活用した海上監視システムを強化する方針を示した。

 韓国は米国を主要軍事同盟国に、中国を最大の貿易国にあげている。5月21日に米ホワイトハウスで行われた米韓首脳会談で、韓国のミサイルの射程圏を800キロメートルまでとするなどミサイル開発を制限してきた2国間ミサイル指針の撤廃で合意したのを受け、中国側に圧力をかけるチャンスが訪れた。指針撤廃により、さらに多くの中国の都市部が韓国のミサイル射程下に入る可能性がある。

 中国政府は違法行為を否定しているが、国連安全保障理事会はリポートで、北朝鮮が国際的な制裁に違反して、中国などの漁船団に年間数百隻分の漁業許可を販売している疑いがあると指摘している。

 学者出身の同相は「違法漁業を好意的にとらえる国はない。そこには中国も含まれる」と述べ、韓中両政府は漁業の条件に関して長年話し合い、既に合意に達していると語った。

 もっとも韓国放送公社(KBS)によると、北朝鮮との海上境界線近くで4月、1日に平均180隻と1年前の3倍に上る中国船が発見されている。

 中国のトロール船は長い間、韓国の海域付近で漁業をしている。2011年に中国漁船が違法操業中に韓国海洋警察に逮捕された際、漁師によって海洋警察官が刺殺される事件が発生。両国に緊張が高まった経緯がある。(ブルームバーグ Jeong-Ho Lee、Jihye Lee)

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