海外情勢

食肉最大手の大半の工場再開 サイバー攻撃、商品市場に照準

 世界最大の食肉加工会社、ブラジルのJBSは同社の一部サーバーを標的とした前週末のサイバー攻撃の影響で、米国内全ての牛肉処理工場の操業停止を余儀なくされた。同社は1日の発表資料で、世界各地の工場の大半は2日に操業再開できるとの見通しを示した。

 全米食品商業労働組合(UFCW)の担当者によると、米牛肉処理工場の操業停止に加え、米国内の全ての食肉包装施設で混乱が生じ、程度の差はあれ操業に支障が出ているという。JBSにコメントを求めたがこれまでに返答はない。同社の米国工場の労働者はUFCWに加盟している。

 同社は6月1日に電子メールで配布した資料で、サイバー攻撃による操業停止などの問題の解決に向け「大きく前進」したと表明。豚肉と鶏肉、加工食品工場の一部は操業を続けており、カナダの牛肉処理施設は生産を再開したと説明した。メキシコと英国の事業にはサイバー攻撃の影響はないとした。

 同社は5月30日にサーバーが攻撃を受けた後、北米とオーストラリアのコンピューターネットワークを停止したと31日に発表していた。

 牛肉関連サイトによると、JBSはオーストラリアのクイーンズランド、ビクトリア、ニューサウスウェールズ、タスマニアの4州で畜牛・羊の解体を停止。カナダでは同社へのサイバー攻撃の影響でアルバータ州ブルックスの牛肉処理工場が操業を停止した。

 ハッカーが重要インフラへの攻撃を強める中、世界的に工場閉鎖が拡大するとの見通しで農業市場は既に混乱を来し、食料安全保障に関する懸念は強まっている。豚肉価格が上昇する一方で、畜産先物は下落した。

 JBSへのサイバー攻撃は北米最大のパイプライン運営会社、米コロニアル・パイプラインが標的とされた3週間後に起きた。ハッカーらは現在、商品市場に照準を定めているとみられている。(ブルームバーグ Mike Dorning)

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