国内

専門医、遠隔で24時間支援 コロナ病床逼迫も医療崩壊防ぐ

 新型コロナウイルス感染拡大で病床が逼迫(ひっぱく)する中、専門医が現場の医師を遠隔から支援する動きが広がっている。専門医がいない病院に24時間態勢でコロナ治療に詳しい医師が電話などでアドバイス。集中治療室(ICU)にカメラを取り付けて外部から支援するほか、在宅療養者を24時間見守る取り組みも。医療崩壊を防ぐため現場では懸命の努力が続く。

 「69歳女性。呼吸困難で高濃度酸素を吸入。何とか維持している状態です」。4月13日午前9時半、コロナ感染患者が入院している神戸市の病院から電話が入った。電話に出たのは米国にいる集中治療専門医だ。

 専門医は、患者の詳しい容体と治療方針を聞き取った上で「治療薬2種類のうち片方はリスクが生じることがあります。人工心肺装置ECMO(エクモ)の使用を視野に入れてください」と助言した。

 医療ベンチャー企業のT-ICU(神戸市)はコロナ治療の知識を持った専門医や集中治療専門医が24時間365日、医療機関を支援するサービスを始めた。国内外の医師約30人、看護師約20人が協力する。電話やインターネットでカルテやエックス線画像を共有し、テレビ会議システムでやり取りする。千葉、愛知、三重、大阪、兵庫、和歌山の6府県の13病院が導入した。

 医師の感染リスクを減らすためICUにカメラを設置し、脈拍や呼吸のデータを外部から確認できるシステムも開発した。自宅療養の患者にはパルスオキシメーターを配布し、自動でデータを転送して異常があると医師と連絡が取れるサービスも始める。医師でもある中西智之社長は「専門医が不足している医療機関の負担を減らし、医療体制の整備に貢献したい」と話す。

 一方、NTT東日本関東病院(東京)では、患者の心拍数や呼吸数を自動で計測し遠隔から容体を確認できる最新型のスマートベッドシステムを導入している。医師や看護師が病室を頻繁に訪れなくてもナースステーションで容体を24時間確認できる。コロナ患者にも使用しており、感染リスクも減らせる。

 佐藤美幸副看護部長は「異常を迅速にキャッチできる。多くの患者の容体を把握しなければならないこともあるので強力なサポートになる」と話している。

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