海外情勢

英が豪州とFTA締結合意 対EU除き初、TPP参加へ布石

 ジョンソン英首相とオーストラリアのモリソン首相は15日までに、両国間の自由貿易協定(FTA)で大筋合意した。英国は離脱後の欧州連合(EU)との間にとどまらず、広範なFTAの締結を目指しており、今回の合意は日本、シンガポール、マレーシアなどが参加している環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に英国が参加するための布石とも受け止められる。

 関係者によると、ジョンソン首相とモリソン首相が14日夜に夕食を交えて協議し、合意が成立した。豪州産の安価な食肉流入に対する英農家の不安が交渉の障害となっていた。

 英豪間ではFTAの下でスコッチウイスキーや衣類、自動車、農産品といった貿易品目の関税が削減される。EUの対外通商関係からの乗り換えを除けば、英国がEU離脱後に主要同盟国と締結する最初の通商協定となる。

 英豪FTAの発効は、英国の国内総生産(GDP)を15年間で0.02%押し上げる効果が期待される。豪州は英国の20番目の貿易相手国であり、2020年の貿易全体の1.2%を占める。

 英国は離脱後に英領北アイルランドとの物流規制を先送りした問題でEUと緊張が高まっており、そのタイミングでの豪州とのFTA合意は朗報となる。

 英国はEUによる厳格な物流規制のアプローチは地域の関係を傷つけていると主張し、北アイルランド向けの製品については検査を行わないことを決めた。英国の最大の貿易相手であるEUは、英国がジョンソン首相が合意に署名してから2年もたたずに条件の履行に失敗したと主張している。

 英国が通商協定締結の次の目標としているのは、ニュージーランドと米国だ。ただ、このうち米国は、バイデン大統領が国内問題に焦点を合わせることを望んでいるため早期の実現はなさそうだ。(ブルームバーグ Joe Mayes)

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