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ソニー新体制いきなりの試練 テレビ再生強調、ゲームでナンバーワン誓う

2012.2.3 05:00更新

ソニーの平井一夫・副社長(左)と、ハワード・ストリンガー会長兼CEO

 ソニーの平井一夫副社長は2日の記者会見で、業績低迷の元凶となっているテレビ事業について、「テレビは家庭の中心にあり、さまざまなコンテンツを楽しむための出力機器だ。簡単に撤退・縮小することはない」と宣言、次期社長兼CEO(最高経営責任者)としてテレビ事業から“逃げる”考えのないことを改めて強調した。

 「主役」奪う韓国勢

 2012年3月期に2000億円超まで膨らむテレビの営業赤字についても「パネルの調達コストは来期以降、年間500億円削減できる」(平井氏)と述べ、13年3月期には半減できるとの強気の見通しを示した。

 会見に同席したハワード・ストリンガー会長兼社長兼CEOは、4期連続の最終赤字を招いたことについて「CEOなので当然責任はある」と述べる半面、「当社も成長目標を立て、経費節減などに努めたが、リーマン・ショックや東日本大震災などに見舞われ、他社を含めて事業が後退した」と、業績不振には外部環境の悪化が大きく影響したとの考えを示した。

 しかし、外部環境が“平時”の状況だったとしても、商品開発やコスト競争力の向上で後手に回ったストリンガー体制では、テレビ事業の再生がおぼつかなかったことは明らかだ。

 ソニーは2年前に4000万台と計画した2013年3月期のテレビの世界販売台数を2000万台に半減することを軸にした新たな収益改善策を打ち出しており、その一環で液晶パネル製造会社「S-LCD」を共同運営してきた韓国サムスン電子と合弁を解消する構造改革も進めてきた。

 だが、業界の主役を韓国勢に奪われた今、こうした取り組みも遅きに失した感は否めない。平井氏は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビなど次世代テレビの開発に努めることも明言したが、この分野もすでに韓国勢が発売を決めており、大型化では出遅れている。

 黒字確保が至上命題

 一方、新経営体制のもとで、平井氏が描く巻き返しの成長戦略はコア(中核)事業の強化。「イメージング(画像処理)とゲームでナンバーワンになる」とアピールするが、特に期待するのが前者だ。

 ソニーは画像処理用半導体(イメージセンサー)で世界有数のメーカー。「これをメディカル(医療)に応用することで中核事業に育てられる」と説明する。その際に欠かせないのが医療分野での販路拡大や医療機器メーカーと連携する戦略だ。オリンパスに行った資本・業務提携の提案もそのためだ。

 平井氏にとっては、まずは来期に5期ぶりの最終黒字を確保することが至上命題となる。会見の直前に行われた決算説明会で加藤優最高財務責任者(CFO)は「堅調な金融、(音楽、映画などの)娯楽事業があるため、営業利益で2000億円は出さなくてはならない」と語ったが、平井氏も「当面は加藤CFOの目線と同じ」とこの目標を追認した。

 だが、テレビでのサムスンの存在同様、医療やネットワークなど成長期待分野には強力なライバルがひしめき、ソニー再生へ向けて乗り越えるべき課題はあまりに多い。(田端素央)

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