なぜ日本企業は劣勢なのか 大学生が世界で見た「勝てないワケ」(上)
2012.3.25 12:00更新
なぜ、日本の企業はいま世界で劣勢に立たされているのか。挽回するには、何が必要なのか-。獨協大学4年の有志学生記者、金田隼人さんが、世界一周をしながら各国の大学を巡り、ともに未来を描ける同志を探す旅の中で考えた。半年に及ぶ卒業旅行では、その難題を解くいくつかのカギが浮かび上がってきた。
日本企業や日本の社会では、「グローバル化」という言葉がごく日常的に飛び交うようになった。だが、大学生をはじめとする若者たちは、漠然とした見えないものを追いかけるかのような不安に襲われ、言葉だけが独り歩きしている。
いったい「グローバル化」とは何なのか-。海外と日本では何が違うのか-。何を変えていかなければならないのか。大学生という視点で海外と海外の同世代を見てみたいと思った。
「彼らは何を考え、どういう将来を描いているのか」「世界中の大学を見て、各国の教育環境、文化を肌で感じたい」「今後の将来を共に描ける同志を見つけたい」…。次から次へと夢がふくらんだ。
大学の先輩の大村貴康さんと宮本秀範さんが昨年、世界一周大学巡りのプロジェクトを自分たちで立ち上げ、成功させた。その旅は、昨年(2011年)2月8日付「Campus新聞」で、「起業調査の2人旅 『世界一周ライブ!』」として紹介された。その第2期プロジェクトとして旅立つことにしたのである。
このプロジェクトは、世界の大学へ出向き、大学生たちが描く夢を直接、聞き取り調査をするというものだ。今年(2012年)も、昨年と同様に数多くのスポンサー企業や学生団体の支援、協力を得ることができた。経済界の著名人たちの応援メッセージもいただき、2011年8月30日、半年間の世界一周大学巡りの旅に出発した。
日本からアジア、中東、ヨーロッパ、アメリカ東海岸、中南米、アメリカ西海岸の順に、23カ国50の大学を訪ねた(ルート図を参照)。各国の大学訪問では主に、日本語や経済・経営を学ぶ学生、教授に会い、インタビューを行った。
このほかにも、大学のキャンパス見学や講義の聴講もさせてもらった。日本語学科ではなんと、にわか日本人講師として飛び入りで授業をする機会にも恵まれた。事前に大学側に面会の予約を入れることもあったが、キャンパスに飛び込んで見ず知らずの学生に声をかけたりもした。そこでは最初の問いの答えとなるヒントを得た。
海外に出て最初にぶつかったのは言語の壁だ。基本的には、大学巡りのみならず私生活も英語で会話をするわけだが、英語圏ではない場所は通じないこともある。それでも多くの学生が親切にインタビューに受け答えしてくれた。
言語については、さまざまな意見をもらった。ベトナムでは「せっかく異国にいくのに、なぜその国の言葉をしゃべれないで平気なの? 僕だったらかなり勉強してからいく」。イタリアでは「日本人は謙遜し過ぎだ。英語をちゃんとしゃべれるのに話せないと言う」。言語の習得に関しては、お国柄によって認識の違いを感じた。
アメリカの学生と話をしたときのことだ。「日本語、しゃべれる」といわれて、実際に会話をしてみると、一向に「ありがとう」「こんにちは」しか言わない。これでしゃべれているという解釈なのである。日本人は最低限生きていくための英語は話せる。だが、シャイ(恥ずかしがり屋)だったり、苦手な英会話を避けたり、外国人とのコミュニケーションを避けたりしているようだ。
また、英語圏以外の学生は、大半は母国語と英語は完璧で、それ以外にも他の言語を話せる人が多い。最低でも、2カ国語を話すバイリンガル。3カ国語を操るトライリンガルも珍しくはない。日本はどうだろうか。英会話を避けていては、いつまでたっても「グローバル化」という波にのみ込まれていくだけではないだろうか。