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中国高速鉄道“見切り発車”の初輸出 特許問題で日欧と国際摩擦に発展も

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中国高速鉄道“見切り発車”の初輸出 特許問題で日欧と国際摩擦に発展も

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 中国国有の鉄道車両大手、中国北車がバングラデシュから高速鉄道の車両60両(20編成)を受注したことが、5日分かった。中国による高速鉄道の輸出は初めて。

 同社が公式ホームページで明らかにしたところによると、バングラデシュから受注したのは、車両のほか列車の制御や運行システムなど関連設備も加えた「核心技術」。路線のルートや受注総額など詳細は明らかになっていない。

 中国高速鉄道では昨年7月、浙江省温州で40人が死亡する追突事故が発生。中国北車が開発した列車も故障が相次いでおり、安全対策が十分とられているかどうかへの懸念も出そうだ。

 また、中国北車が初輸出する高速鉄道の車両やシステムは、独電機大手のシーメンスなどから導入した技術がベースとみられる。しかし、同社のライバル、中国南車には川崎重工業など日本企業も新幹線技術を供与している。今回の輸出を皮切りに中国が高速鉄道技術の海外進出を加速させれば、国内利用を前提に対中技術供与した日欧企業と中国の間で、契約違反や特許侵害など国際摩擦に発展する恐れもある。

 中国北車や中国南車などでは、高速鉄道車両について海外からの導入時に250キロだった最高時速を、350キロに引き上げたことなどを根拠に「中国独自開発の最新技術だ」と主張している。一方、日本の鉄道関係者は「中国では安全が保証できないため、300キロ以上出せる車両を、技術供与の契約時に速度制限した」と反論している。

 中国はかねて高速鉄道を重要輸出産業と位置付けており、海外進出に向けた戦略を着々と進めている。昨年、日本や米国も含む5カ国・地域で、高速鉄道技術の特許取得を狙って国際出願の手続きに着手するなど、強硬な姿勢も見せ始めている。バングラデシュで輸出実績を作ることが海外戦略上、有利だと判断したようだ。

 他方、中国北車製の車両をめぐっては、昨年6月末に開業した北京-上海間の高速鉄道路線で最新型に多数の不具合が見つかり、中国鉄道省からリコール(無償の回収・修理)を命じられた。昨年7月の追突事故は中国南車製の車両だったが、事故原因の追究や再発防止にどこまで対策が取られたか不明確。“見切り発車”型の輸出といえる。(上海 河崎真澄)

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