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スカイマーク、接客指針に行政からも“苦情” コスト優先で信頼失う落とし穴

ニュースカテゴリ:企業のサービス

スカイマーク、接客指針に行政からも“苦情” コスト優先で信頼失う落とし穴

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 エアライン経営の“優等生”とされるスカイマークの視界がにわかに曇ってきた。サービスの簡略化をうたった接客指針をめぐり、東京都から異例の抗議を受けたほか、消費者庁の福嶋浩彦長官は6日の会見で、文書の回収を要請する意向を示し、同社は同日に改善を決めた。格安航空会社(LCC)の相次ぐ参入で業界地図が一変し、大手やLCCに対抗する新サービスが求められる中で浮上した接客指針問題は、乗客の信頼を損なう“落とし穴”になりかねない。

 「機内での苦情は一切受け付けません」。スカイマークは5月18日から、8項目からなる接客指針「サービスコンセプト」と題した文書を座席ポケットに備え付けた。内容は、客室乗務員は荷物の収納を「援助しない」と表明し、「接客は補助的なもの」だとした。苦情は同社の相談センターか、「消費生活センター」などに寄せるように呼び掛けた。同社は「機内サービスのコンセプトを分かりやすくして、安全運航に協力をお願いしたかった」と説明する。

 しかし、文書を出した時期が悪かった。国土交通省が同社の安全管理体制に不備があるとして、5月22日に厳重注意したばかりだったからだ。大手航空関係者からも「安全性対策の強化を優先すべきだ」との批判も聞かれた。さらに、東京都消費生活総合センターが今月5日、「消費者からの苦情は企業自らが責任を持って対処すべきだ」などとして、同社に文書回収などを求めた。

 航空産業に詳しい早稲田大の戸崎肇教授は「値段に応じたサービスについて消費者に意識変革を求めたのだろうが、混乱を招いただけでイメージ戦略としては失敗」と手厳しい。

 同社の業績は好調だ。2012年3月期決算の売上高は前期比38.3%増の802億円、営業利益も36.5%増の152億円で2期連続の増収増益。成田、関西両空港に新拠点を開設し路線を拡充した積極姿勢が奏功した。14年度の国際線参入を控え、大型航空機材の購入計画も固まった。

 それでも、安全運航への取り組みでつまずく事態となれば、業績への影響が避けられない。同社は5日、乗務員の運航手順の再確認や安全教育の徹底などの改善計画書を国交省に提出。今後は同社が目指す安全と接客とのバランスについて利用者の理解を深めることや、早期割引できる「WEBバーゲン」などの割安運賃を強化することが不可欠だ。(鈴木正行)

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