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トヨタ、燃料電池車を供与 BMWと次世代環境技術の提携拡大
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トヨタ自動車が、独BMWと環境分野の提携関係を拡大することで最終調整していることが25日、分かった。トヨタがハイブリッド車(HV)と燃料電池車の技術を供与し、BMWは車体軽量化技術をトヨタに供与する。環境技術で先行する両社が関係を深め、世界市場で競争力強化を図るのが狙いだ。両社は今週中にも発表する予定。
両社は昨年12月、環境技術で提携することで合意。トヨタはBMWから排気量1600ccと2000ccのディーゼルエンジンを調達し、欧州向けの車両に搭載。同時に、電気自動車(EV)など車両の電動化の中核技術となるリチウムイオン電池について、素材分野などで両社が共同開発することも決めた。
今回、この合意に加え、トヨタは燃料電池車の技術提供まで提携を広げる。燃料電池車の技術供与は初めて。トヨタは15年をめどに燃料電池車を発売する計画だが、BMWと組むことで陣営づくりに着手する。
一方、炭素繊維を使った車体開発などで定評があるBMWは、これらを含めた車体軽量化技術をトヨタに提供する。車両軽量化は低燃費化の中核技術として、さまざまな車両への応用が期待されている。
トヨタが今回、燃料電池車の技術まで供与するのは、次世代環境車の“本命”と位置づけているためだ。走行中の二酸化炭素(CO2)排出ゼロのEVがすでに商品化されているが、フル充電しても走行距離が200キロ程度に制限されるのが難点。電池の技術開発が進み距離が長くなるとみられるが、それでも限界はある。
これに対し燃料電池車は同じCO2排出ゼロでも、水素スタンドが普及すれば長距離走行が可能となる。欧州では環境規制の対応と同時に長距離走行も求められるため、燃料電池車の普及が先行するとみられている。
トヨタは家庭用電源でも充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)、EV、燃料電池車、ディーゼルエンジンなど全方位で次世代エコカー技術を開発しているが、HVの次の“本命”はEVよりも燃料電池車とみており、BMWとの協業で欧州販売で先手を打ちたい考え。
一方、BMW側も環境分野での提携関係見直しを迫られている事情がある。BMWは昨年、HV技術で仏プジョー・シトロエン・グループ(PSA)と提携したが、今年2月には米ゼネラル・モーターズ(GM)がPSAに資本出資を発表したことで、BMW-PSAの提携に影響が出るとの見方が強まっているためだ。
次世代のエコカー開発には巨額の投資が必要なことから、今後も大手メーカー同士の提携関係が活発化しそうだ。(平尾孝)