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電機
脱テレビ依存へ転換急務 ソニー・シャープ、販売見通し下方修正
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ソニーやシャープなど家電大手が2012年度のテレビの販売台数見通しを相次いで下方修正した。昨年の地上デジタル放送への完全移行やエコポイント制度終了後は国内需要が回復せず、海外販売でも韓国勢などとの競争が激しく、利益を確保できない状況が続いているためだ。テレビはかつて家電の中核事業だったが、いまや“脱テレビ”を進める状況となっている。
今年度のテレビ販売計画について、ソニーは従来予想の1750万台から1550万台に、シャープは1000万台から800万台にそれぞれ下方修正した。パナソニックは1550万台(パネル含む)としている計画を据え置いたが、それでも前年度実績の1752万台を200万台以上下回る。
「国内で今のようなテレビをつくっていても、採算は合わない」。シャープの奥田隆司社長はテレビ事業の不振に頭を抱える。同社は昨年度の大幅赤字に続き、今年度に入っても4~6月期は1384億円の最終赤字となった。テレビ事業への依存度が大きいため、収益改善の方向性はみえていない。ソニー、パナソニックも事情は同じで、生き残るためにはテレビ依存度を下げざるを得ない。
テレビの国内市場は、6月の出荷台数が前年同月比80.3%減の55万7000台(電子情報技術産業協会調べ)で、11カ月連続で大幅なマイナスが続く。海外市場でも、韓国サムスン電子やLG電子などとの競争力は歴史的な円高もあって劣勢だ。
一方で、ソニーとパナソニックは6月、次世代テレビとして期待される有機EL(エレクトロルミネッセンス)の技術開発で提携。両社の得意技術を持ち寄ってコストを圧縮すると同時に、早期の商品化を目指し、次の収益源としたい考えだ。
ただ、有機ELでもサムスン電子は携帯機器向けなどに大量生産しており、技術やコストで追いつくのは容易ではない。
電機業界に詳しいアナリストからは、「有機ELでの提携は、テレビを捨て切れないソニーとパナソニック両社の“苦肉の策”だ」との指摘さえ出ている。(米沢文)