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快走アップルに死角はないのか iPhone「伸びしろ少ない」との指摘も
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米電子機器大手アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏の死去から、5日で1年が経過した。
スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」など主力商品の変わらぬ人気に支えられ、業績堅調で時価総額世界一に駆け上がった。
しかし、グーグルやマイクロソフト(MS)などライバル企業の猛追や、韓国サムスン電子などとの特許紛争の泥沼化が懸念される。スマホ市場に成熟化の兆しもあり、王者の足元を揺るがす事態になりかねない。
アップルの株価は、ジョブズ氏の死去直後こそ急落したが、急ピッチで切り返し、1年前に比べて7割以上も上昇。4~6月期決算も増収増益だった。
後継者のティム・クック最高経営責任者(CEO)は良い意味で前評判を裏切った。ジョブズ氏のようなカリスマ性こそないが、人心掌握が巧みで製品開発を率先する。
しかし、快走を続けるアップルにも死角はある。グーグルやMSなどライバル企業も対抗製品を投入し、猛追する。
また、米国内のスマホ市場は飽和に近づいている。アイフォーンは「技術的に伸びしろは少ない」(アナリスト)との指摘もある。
タブレットなどの成長市場でヒット商品を生み出し、新しい市場を切り開く革新的な商品を作り出すことができるか。
アップルが王者であり続けるためには、IT市場で勝ち続けることが期待されている。(ワシントン 柿内公輔)