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「むちゃな目標設定」エネファームに疑問 高価格、15年度で補助金打ち切り
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エネファームの累積普及台数のイメージ 原発ゼロを掲げた政府の革新的エネルギー・環境戦略に異論が相次ぐなか、前提となる省エネ機器の急速な拡大計画の実現性にも疑問が投げかけられている。
都市ガスなどから水素を取り出して発電する家庭用燃料電池「エネファーム」の普及目標は2030年までに累計530万台で、11年度実績の約230倍に上る。普及に向けた補助金が15年度で打ち切られることもあり、既に「むちゃな目標設定だ」(業界関係者)との指摘が出ている。
エネファームの11年度普及実績は2万3000台で、日本ガス協会は今年度4万3000台まで増えると推計している。販売を始めた09年度の5000台から順調に伸びてはいるが、530万台は桁違いの目標だ。
同協会も30年までに500万台の普及目標を立ててはいるものの、「綿密に積み上げて計算したものではなく、あくまで意気込み」(広報室)とあって、実現のハードルは非常に高い。
普及を妨げる最大の障害は価格の高さだ。部品の点数が多いほか材料に高価な白金を使うこともあり、1台で約270万円もかかる。
標準的な家庭で年間5万円程度の光熱費を削減できるが、製品の保証期間である10年間では元がとれない。30万円前後で設置できる従来のガス給湯器と比べると割高感は強い。
政府はエネファームの発売が始まった09年度から補助金を出しており、今年度は1台当たり最大70万円が支給されている。ただ、補助を受けても現状では200万円超の費用がかかるうえ、補助金制度自体が15年度で打ち切りになる見通しだ。
政府は「価格が80万円を切れば自立的に普及の道筋がつく」(資源エネルギー庁担当者)と見込んでおり、補助期間内の低コスト化に期待を寄せている。
これに対し、業界内では「15年に50万円を目指す」(JX日鉱日石エネルギーの木村康会長)と強気の発言がある一方、「相当大きな技術革新がないと数年間で200万円近いコスト削減は無理」との悲鳴も上がっており、政府の思惑通り普及が進む見通しは立っていない。
日本ガス協会の鳥原光憲会長(東京ガス会長)は530万台の目標について、「国から必要な支援をしてもらうためのベースになる」と述べ、16年度以降の補助金継続に期待をにじませている。いずれにせよ、相当強力なてこ入れがなければ目標達成は難しそうだ。(田辺裕晶)