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プロントの挑戦「ごみを商品に」 コーヒー豆かす再利用したエコ植木鉢

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プロントの挑戦「ごみを商品に」 コーヒー豆かす再利用したエコ植木鉢

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 コーヒーチェーン「プロント」を展開するプロントコーポレーションは、コーヒー豆のかすを再利用した植木鉢「CAFE TSUCHIKO(カフェ ツチコ)」を商品化した。

 これからのクリスマスシーズンに向け、グループ会社のサントリーフラワーズがオーストラリアの合弁会社で開発した植物「プリンセチア」を植えたギフトを11月30日まで限定販売している。今後、鉢の改良を進めるほか、季節ごとの植物とセットで販売することなども検討し、リサイクル率を上げていく。

 ツチコはコーヒー豆のかす30%、杉の間伐材70%でできた100%植物由来の植木鉢。中で育てた植物が大きくなって庭などに植え替える際、鉢ごと植えることができる。不要となったときは、砕いて埋めると土に還る。

 植木鉢の機能としても、細かな空気穴があるため十分な空気を取り込むことができ、根腐れが起きにくい強みがあるという。

 開発に着手したのは約3年前。メーカーでリサイクルへの取り組みが進むなか、薄利多売の外食産業は全体的に遅れており、同社では新たな技術開発を急いでいた。

 コーヒーチェーンである同社が最もリサイクルを進めたいのは、コーヒーを抽出したあとに残る豆かす。その量は1日あたり2トン、年間730トンに上るという。それまでも壁や机に練り込むなどでリサイクルしてきたが、すべてを再利用することはできなかった。法定のリサイクル率に対する達成度は2012年度で57%の見込みという。

 「新しいことをやらなければリサイクルは進まない」。CSR(企業の社会的責任)推進室長の森谷晋一氏は、リサイクルに関する勉強会やセミナーに足しげく通った。

 1年ほどたったある日、展示会で出会ったのが間伐材をリサイクルして植木鉢を製作しているメーカーだった。森谷氏はコーヒー豆のかすで応用できないか相談したところ、「ごみを商品にしたい」とリサイクルに取り組んできたメーカー側担当者が共同研究を快諾、実験が始まった。

 早速、豆かす100%で植木鉢を作ってみたものの、水をやると崩れてしまう。間伐材との配合比率を変えながら10回ほど試行錯誤し、ようやく強度、品質ともに合格ラインの鉢を開発することができた。

 豆かすは釜でさらさらの炭になるまで焼き、チップ状の杉粉と混ぜて固めている。コーヒーの香りを目指したものの、配合比率が高い杉の良い香りが勝っており、引き続き工夫を重ねていきたいという。

 第1弾のセットに選ばれたプリンセチアは、クリスマスシーズンにおなじみの「ポインセチア」をサントリーが改良したもので、花言葉は「思いやり」。森谷氏は「大地からもらった豆をおいしくいただいて、また大地にかえすという、ツチコのコンセプトにぴったり」とうれしそうに話す。

 ギフトは葉の色別に「ルージュ」「ホットピンク」「ピンクホワイト」の3商品で、ともに2980円。サントリーフラワーズのウェブサイトで注文を受け付けている。売り上げの一部は東日本大震災の復旧・復興支援、全国の緑化活動などに充てられる。

 プロントではほかにも、料理を1品注文するごとに10円を寄付する取り組みや有志ボランティアでの環境活動などを実施しており、外食産業の環境パイオニアを目指す。(金谷かおり)

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