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JR新型車両、高速化へ着々と準備 「L0系」と「スーパーこまち」公開
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初公開されたJR東海の超電導リニアの新型車両 JR東海は22日、営業運転を想定したリニアモーターカーの新型車両を初めて公開した。現在工事中の延伸区間が完成する2013年末から走行試験を始める予定。同日にはJR東日本も、来年3月から秋田新幹線の営業運転に使う「スーパーこまち」を公開。2社の新型車両が相次ぎお目見えした。両社ともドル箱といえる高速鉄道のさらなる「高速化」に向けて、着々と準備を進める。
JR東海は山梨リニア実験線車両基地(山梨県都留市)で、超電導リニアの新型車両「L0系」の車体搬入作業を行った。車両は東海道新幹線「N700系」のデザインを踏襲したが、最高時速500キロを出すために空気抵抗を減らそうと先頭車両(全長28メートル)の鼻先が15メートルと長い。
納入された車両は、実際の営業運転で使う第1世代に当たる。遠藤泰和・山梨実験センター所長は「L0系はこれまでの実験ノウハウが詰まっている。今後安全面など最終検証を行っていく」と語った。
まず5両、その後12両に伸ばして営業運転に近い形で走行試験。問題がなければ、2027年に東京(品川)-名古屋間を最短40分で結ぶ“夢の超特急”が実現する。
一方、JR東は既存の新幹線技術の高速化に挑む。宮城県利府町の新幹線総合車両センターで公開された新型車両「E6系(スーパーこまち)」はその布石となる。現在のE3系(こまち)は最高時速275キロだが、E6系導入で同300キロ、さらに14年春には同320キロの運転を始める。
JR東の冨田哲郎社長は2020年度までに「鉄道の優位性を高める」として、東北新幹線などで最高時速360キロの実現を目指すと宣言。360キロ運転の実現には「現在の新型車両の後継車両の開発が進む」(関係者)とみられている。