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関電、再値上げや追加リストラも 原発再稼働の行方不透明
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家庭向け電気料金値上げ認可の流れ 関西電力が26日に申請した電気料金の値上げは、稼働中の大飯原発2基に加え、高浜原発2基の再稼働を前提としたものだ。ただ、原子力規制委員会が来年7月までに予定する新安全基準の策定後すぐに再稼働できる見通しは立たず、新料金の認可も衆院選後の次期政権に委ねられる。
値上げ審査は29日から始まるが、審査内容や原発再稼働の行方次第では、関電は再値上げやリストラ策の積み上げを迫られる可能性もある。
資源エネルギー庁の高原一郎長官は26日、関電からの値上げ申請受理後、「電気料金値上げは国民生活に大きな影響を与える。専門委で厳格に審査したい」と述べた。経産省は29日から専門委員会を開き、審査を本格化させる。
家庭向け値上げの審査はまず、経産省の専門委が人件費や燃料費など電気料金の総原価を約60項目に分けた査定方針に基づき、各項目の申請内容が妥当かどうかを判断する。
経産省は原発事故を起こし、公的資金を投入された東京電力の値上げ申請の時のような厳格さは求めない方針だが、関電の値上げ幅は9月に実施した東電を上回るため、幅の圧縮は避けられそうにない。
焦点となるのが、他業界と比べて高水準とされる人件費となりそうだ。関電は年間社員給与を平均790万円から664万円に引き下げる計画だが、審査基準で目安とされる従業員1000人以上の大企業の平均年収(約596万円)を上回り、さらなる削減を迫られるのは確実だ。人件費のほかにも、燃料を効率的に調達しているか、設備更新などで競争入札が実施されているかなどを幅広く調べる。東電の値上げ審査の場合でも、委員会などの過程で燃料費などが削減され、値上げ幅は2%近く圧縮された経緯がある。
加えて、関電が値上げ幅圧縮の前提とした原発再稼働のスケジュールは流動的だ。原子力規制委は来年7月までに原発の新安全基準を作り、この基準に沿って安全性が確認された原発が再稼働の対象となる。
関電は高浜3、4号機の再稼働により、年間1700億円の燃料費の圧縮効果を見込む。「来年4月ぐらいに(原子力規制委の)安全基準の骨子が出る。それに合致するよう努力し、速やかに審査してもらう」(関電関係者)ことを想定している。
しかし、規制委の基準次第では追加の安全対策を迫られる可能性もあるほか、地元自治体の同意を得たとしても、誰が再稼働の最終判断をするのかという問題は残されたまま。
経産省は、消費者から関電の値上げに関する意見を聞く公聴会を来年1月28日に大阪市で開く。原発の再稼働は衆院選の争点の一つで、選挙結果によっては関電の値上げシナリオが崩れる可能性もある。
一方、東電も来年4月以降に柏崎刈羽原発(新潟県)を順次再稼働させることで収益改善を織り込んでいるが、再稼働の見通しは立っておらず、再値上げも取り沙汰されている。