SankeiBiz ニュース詳細(ライト版)

PC版

日産「つなぎの技術」へ方向転換 EV普及遅れ…HV15車種投入へ

2012.12.13 07:40更新

環境車戦略について説明する日産の志賀俊之最高執行責任者=12日、横浜市西区

 日産自動車は12日、2016年度までに15車種のハイブリッド車(HV)を投入し、計17車種とする計画を発表した。同社はこれまで電気自動車(EV)の販売に力を入れてきたが、EVの普及が遅れていることから、事実上の方向転換に踏み切った。HVではマツダなども来年から販売する計画で、当面はHVがエコカーの軸となりそうだ。

 日産のHVは、後輪駆動のセダン「フーガ」とミニバン「セレナ」の2車種のみだが、搭載車種の拡大に向け、新たに前輪駆動対応のHVシステムを開発。プラグインハイブリッド車(PHV)の追加も検討していく方針だ。

 同日会見した志賀俊之最高執行責任者(COO)は「いずれの車種もクラストップの燃費性能とする」と述べた。志賀COOはEVについて「次世代環境技術の本命」とする方針に変わりはなく、HVは「つなぎの技術」と強調したが、「事実上のHVへの方向転換」(証券アナリスト)との声も出ている。

 HVをめぐっては、トヨタ自動車が今後3年以内に既存7車種に加え、新型14車種にHVを設定するなど圧倒的シェアを維持していく戦略。

 マツダはトヨタのHV「プリウス」のモーターや制御システムなど基幹装置の技術ライセンスを受けたモデルの販売を来年に予定。

 ホンダもガソリン1リットル当たり36キロ前後と国内最高の燃費となる小型車「フィットHV」を来夏にも発売する見通し。

 一方、日産はEVの販売目標を16年度までに世界累計150万台としていたが、今年11月末までの約2年間で約4万6000台にとどまる。トヨタ、マツダ、ホンダもEVを投入しているが、日産以外はリース販売にとどめている。

  • シェア