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日立造船と住友化学 津波被害の農地修復技術確立

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日立造船と住友化学 津波被害の農地修復技術確立

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土砂の塩分を取り除く「砂分離工程」の機器=2011年12月、宮城県亘理町  日立造船と住友化学は12日、東日本大震災で津波の被害を受けた東北地方の農地を、再び作付けができる状態に修復する新技術を確立したと発表した。

 水田から回収した土砂から、津波で運ばれてきた細かながれきや塩分を取り除き、作物の生育に必要な成分を算出する。宮城県内の約450平方メートルの水田で稲の生育実験を行ったところ、208キロのコメを収穫できたという。

 両社は昨年11月、宮城県亘理町の水田で実証実験を開始。日立造船は津波で運ばれてきた土砂の回収や除塩などを担当し、住友化学は土壌診断や生育試験などを受け持った。

 これまで土砂がまだらに堆積して表面がでこぼこになった水田では、土の量を把握するのに時間と費用がかかっていた。日立造船は衛星利用測位システム(GPS)を搭載したトラクターを走らせて水田の高低を高精度に計測し、所要時間を従来の約60分の1に短縮。高効率の掘削・運搬を実現した。

 運び出した土砂はサイクロン(遠心分離器)にかけ、細かながれきや塩分を除去。住友化学が津波などで洗い流された土壌中の栄養分を分析し、足りない成分を算出して適切な肥料の種類や添加量を設計した。今年5月に約450平方メートルの水田に作付けし、10月には例年の8割水準となるコメ(ひとめぼれ)208キロを収穫した。

 日立造船は「費用は量によってかなり変わるが、(回収した土砂からがれきなどを取り除いた)砂を建築資材として再利用できればかなり安い費用でできる」と説明。「今後、被災地でこの技術を使って、一日も早く復興に貢献していきたい」と話している。

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