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次はガンバ? 経営難パナソニック、名門クラブ軒並み休部の舞台裏
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業績が悪化しているパナソニックは12月13日、男子プロゴルフの石川遼(りょう)選手(21)との所属契約を、期間が満了する来年1月27日で解消すると発表した。主催する男子ゴルフツアーの「パナソニック・オープン」も来年9月の大会を最後に打ち切る。パナソニックは2013年3月期に2期連続で7000億円を超える赤字を計上する見込みで、業績回復に向けた経営合理化に取り組んでいる。既に女子バドミントン部と男子バスケットボール部の今季限りでの休部も発表しており、次はサッカーJリーグで来季2部に降格となったガンバ大阪が草刈り場になるとの観測が出ている。
パナソニックは「世界に挑戦する若者を応援する」との趣旨で、2008年1月にプロ転向宣言した直後の石川選手と5年間の所属契約(契約金は非公開)を結び、活動をサポートしてきた。契約を更新しないことについて「(石川選手は)日本のトッププレーヤーとして揺るぎない地位を築いており、既に当社の所期の目的は十分に果たした」と理由を説明した。
「経営合理化の一環」を理由には挙げなかったが、液晶テレビなど主力事業が振るわず手元資金が薄くなったパナソニックは12年度中に2000億円の資金を確保する計画を進めており、経費削減策であることは間違いない。パナソニックは今年10月、13年3月期の連結業績予想を大幅に下方修正し、最終損益を従来の500億円の黒字から7600億円の赤字に引き下げた。賞金総額1億5000万円のパナソニック・オープンは、石川選手と契約した08年から始めている。
パナソニックはもともと、旧松下電器時代から野球、バレーボール(男子)、バスケットボール(男子)の各部を強化しており、三洋電機との合併後は三洋が強化していたバドミントン(女子)とラグビーを引き継いでいた。どの部も日本のスポーツシーンを牽引(けんいん)してきた名門ばかりで、来年3月で休部となるバスケットボール部は日本リーグ優勝13回を誇っている。
パナソニックの業績悪化の影響が次に及ぶのは、子会社化しているガンバ大阪とみられる。パナソニックの松下正幸副会長(67)はJ2降格の要因として「運営会社や選手、サポーターは、よもや(2部に)落ちることはあるまいと思っていたのが最大の原因だと思う。心の隙があったのではないか」と話したが、サポーターの心の隙間には今、寒い風が吹きまくっている。
今季、年間約20億円だったガンバの人件費は、来季は半減近くになるとされており、遠藤保仁選手(32)、明神(みょうじん)智和選手(34)、今野泰幸選手(29)ら日本代表クラスの主力が他チームに移るのは不可避とみられているからだ。特にサポーターが気をもんでいるのが、年俸1億5000万円でチーム最高給取りの遠藤選手の去就だ。「一番は(ガンバに)残留。あとは代理人に聞いてほしい」と遠藤選手は話すが、プロである以上、年俸が半分になってもチームに残るとは考えにくい。そんな折、クラブW杯出場で来日中のブラジルの名門コリンチャンスが年俸2億円、ガンバへの移籍金3億円で遠藤選手獲得のオファーを出したとの情報も流れ、周辺が騒がしくなっている。