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JR東海社長「新幹線が生命線」 安全確保へ採算度外視で設備投資
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脱線防止ガードを施された線路(右)の隣の線路に入り、JR三島駅に入線する東海道新幹線=1月9日午前10時45分ごろ、静岡県三島市(西川博明撮影)
「スケジュール通りだ。2013年は山梨実験線の延伸完了と走行試験の再開、(東京-名古屋間の)詳細なルートや駅の位置確定など計画全体のスタートラインにつく年。新幹線、在来線、リニアと3つの鉄道を運営していくことになるので、どういう組織態勢が適切かを考えていく。リニアが開通しても全体の利用者が倍増するわけではなく、人員は大幅に増やせない。コンパクトで効率的な組織で運営していく方法を早期に考える。また、ルートや駅の位置選定では、沿線自治体に納得してもらえるような方法を考えて進める」
「米フロリダでの高速鉄道計画が頓挫したこともあり、現状では輸出実現の可能性はゼロだ。米は財政問題などがあり時間がかかりそうで、地ならしの活動を続ける。今後も売り込み先は北米を中心にやっていく」
「昨年は東京スカイツリー開業など東京方面への旅行需要が旺盛だった。東京への観光も京都、奈良への旅行のような底堅いものにするよう商品開発を考えたい。高齢者の観光需要取り込みもポイントだ。13年は伊勢神宮の式年遷宮もあり、旅行商品開発を積極化したい」
「空港がLCCに対して着陸料の大幅な減免などをして運賃が相当安くなると、影響は出るかもしれない。ただ、今のところ影響はないだろう」
「当社は新幹線が生命線。採算性を度外視して設備投資を続けている。現在も周期的に先進的な震災対策などを続けており、この延長線上で保守していく。大規模改修も必要で、準備金を積み立てている。新しい工法を試すなどし、できるものは早めにやりたい」
「景気は全く分からない。円安や政権交代で期待感は出ているが、消費税増税を控えるなどリスクもある。企業が社員の雇用を守り、自力で頑張っていくことが大切だ。民主党政権では言葉だけが踊り、国全体の動きは止まってしまった。新政権には特に財政運営で、原点に立ち返り、将来の世代に迷惑をかけないような規律維持をしてほしい」(内山智彦)