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大衆薬のネット販売再開へ 通販業界「歓迎」もルール作り課題

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大衆薬のネット販売再開へ 通販業界「歓迎」もルール作り課題

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最高裁判決を受け、大衆薬のネット販売は早くも再開された=11日午後(荻窪佳撮影)  医師の処方箋がいらない一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売を原則禁じた厚生労働省令の適法性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は11日、「一律に禁止した省令は改正薬事法を逸脱し、違法で無効だ」としてネット販売を認める判断を示した。ネット通販業界は「歓迎する」(楽天の三木谷浩史会長兼社長)としており、新たなルールの下で大衆薬のネット販売が今後普及しそうだ。

 楽天傘下のネット通販業者ケンコーコム(東京都港区)と、ウェルネット(横浜市)が販売する権利の確認を求めて訴えていた。最高裁は業者側の勝訴を言い渡した2審東京高裁の結論を支持して国の上告を棄却し、国の敗訴が確定。省令が無効とされたことで規制が事実上なくなり、2社にとどまらずネット販売が現時点で可能になった。

 田村憲久厚労相は同日、「判決の趣旨に従い、必要な対応策を講じる」とのコメントを出し、厚労省は規制緩和を念頭に省令の見直し作業に入った。

 2009年6月施行の改正薬事法は、大衆薬を副作用リスクに応じて3つに分類し、販売時に薬剤師らが適切に情報提供するよう規定した。具体的には省令で定め、胃腸薬や毛髪薬、風邪薬など第1~2類は薬局などでの対面販売を義務付け、ビタミン剤などリスクの低い第3類以外のネット販売を禁じた。

 判決を受け、ケンコーコムは11日、大衆薬のネット販売を再開し、頭痛薬など副作用リスクの高い第1類も含めて販売する考えを明らかにした。ウェルネットも再開を表明したほか、ヤフーもサイト内の医薬品販売ストアで第1類を含めた取り扱いの拡大に向けた準備を始めた。

 健康食品・化粧品通販大手ファンケルの宮島和美会長は「消費者の利便性を考えるなら規制は緩和すべきで、大きなビジネスチャンスとなる」と指摘する。ただ、ネット販売の拡大はドラッグストアチェーンにとって大きな脅威となるだけに、さまざまな思惑が交錯する。

 医薬品だけに頼れないと、大手のマツモトキヨシはコンビニエンスストアに対抗する形で、食品のプライベート・ブランド(自主企画)商品を拡充している。

 一方、小林製薬は整腸剤など第3類の大衆薬4品目のネット販売を昨秋始めたものの、12月で中止した。売り上げ不振のためとするが「ドラッグストアの反発に配慮した」(製薬大手)との見方がもっぱらだ。

 新たなルール作りをめぐり、ケンコーコムも加盟する日本オンラインドラッグ協会は11日、ネット販売のガイドラインを公表し、医薬品のリスク区分掲載などを打ち出した。日本チェーンドラッグストア協会は「安全で便利な医薬品の提供方法を議論した上で、ネット販売の環境を整備すべきだ」としている。

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