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JTが求める“人財”の素質とは? 「就活は大学受験ではない」

2013.1.15 09:00更新

「採用の決め手は、その人がどんな現場で働いているかイメージできること。1つでも当てはまれば考えさせていただく」と話すJTの嶋吉耕史・人事部長

【採用担当者のホンネ】JT 人事部長・嶋吉耕史さん

 「採用したいのは、まさにグローバル人財となる学生だ」。日本たばこ産業(JT)の嶋吉耕史・人事部長は言い切る。

 同社は人材を「人財」と表記する。ビジネスの舞台は世界120カ国・地域以上。海外に90事業所、28工場を展開する、まさにグローバル企業だ。アフリカでの葉タバコの調達から、スイスにあるインターナショナル拠点での勤務、日本各地でのたばこ営業まで活躍の場は広い。必要としているのは、日本にいながらも国内外に向けてリーダーシップをとれる人物だ。

 食品や飲料、医薬品でも「JT」の2文字を目にすることが多くなったが、「やはり、たばこ関連事業が中心」。販売数量は海外が7割以上を占め、利益でも海外が上回る。主要市場のロシアや欧州に加え、アジア、中東、アフリカも伸びている。「日本は少子高齢化を迎えるが、海外たばこビジネスはますます伸びる」と展望する。

 だからこそ「素質としてみたいのは、まずは好奇心。さまざまな国の文化やお客さんの嗜好(しこう)に対応するのに必要だから」。加えて「変化が激しいビジネスの世界で、自分で課題を発見し芯を持ってやり抜く力」も重視する。

 2012年度に入社した大卒、大学院修了の新卒者は165人。うち総合職が121人、研究・開発職(たばこ、医薬、食品)が44人。

 14年度採用は、昨年12月のプレエントリーでスタート。1月11日に本エントリーを開始した。エッセー提出などでより明確な入社の意思表示を求める。

 採用活動には、延べ500人のさまざまな年代の社員を全国に駆り出し、会社説明会や大学内のセミナー、さらに学生に直に会うことにも積極的だ。「とにかく会うこと。会社のことを伝えると同時に、ダイレクトな手応えが伝わってくる」からだ。

 このため「(会社を)受験させていただく」という学生に出会うと違和感を覚えるという。「就職活動は大学受験ではない。双方が対等な立場で選び合う。そうでないと成り立たない」という立場を取る。

 学業への取り組みもしっかりとみる。「グローバルで活躍するには会社の看板やポジションで勝負するのでなく、最後は個人の見識。学問を一生懸命やるというのは、ぶれない軸を持つことにつながる」。就職試験は確固たる自己を築く努力をしてきたか、軌跡を問う場になる。(高梨美穂子)

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