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うるさい場所でも聞こえやすいスマホ 京セラ、米市場に投入
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通話中に液晶ディスプレー全体を振動させるスマートフォン(京セラ提供)
京セラは、今春にも米国で騒音の激しい場所でも聞こえやすくする新技術を搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)の新製品を発売する。通話中に液晶ディスプレー全体を振動させて音を効果的に伝える仕組み。日本では昨年発売したが、市場の評価も高く、米国への投入を決めた。米国でスマホの需要が急拡大する一方、製品のコモディティー(汎用品)化が課題となっており、技術の差別化で収益拡大を狙う。
新技術は、液晶ディスプレー全体に肉眼では確認できないほどの細かな振動を発生。これにより、ディスプレーのどの部分に耳をつけても、耳の奥(内耳)などに通話音が伝わり、雑音を気にすることなく、きれいに聞こえる。
音声の電気信号などを流すと、振動する仕組みのセラミックを独自開発し、液晶画面の周囲に搭載することで実用化に成功した。
従来のスマホは、通話中に受話スピーカーから音が出るが、音の発信箇所が狭いため、周囲の騒音が大きな場所では聞こえくくなる難点があった。
この新技術を搭載したスマホについては、昨年5月からKDDI(au)が国内販売を開始。市場の評価も高く、米国でも今春から現地の大手通信事業者を通じて販売に乗り出す。
米国の通信端末市場は年間1億7千万台前後。スマホ製造・販売などの通信事業で、京セラのシェアは約4・7%(2012年実績)と日本メーカーの中ではトップを誇る。
12年4~12月期は、米国への出荷台数が全体の約7割を占め、米市場での販売好調により同事業の売上高は前年同期に比べ約2割増となった。
ただ、米国では端末のコモディティー化が進んでおり、「デザインの斬新さや低価格だけでなく、端末の独自技術に期待しているユーザーが多い」(証券アナリスト)。京セラは今回の新技術で米国でのシェアを拡大し、売り上げ増加を狙う。