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臨場感たっぷり! コアなファンも…「ショップチャンネル」人気の秘密

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臨場感たっぷり! コアなファンも…「ショップチャンネル」人気の秘密

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番組にはキャストとともにメーカーやブランドの関係者も出演する。注文状況や問い合わせ内容をリアルタイムで把握しながら、臨機応変に番組を進行。対面販売のような臨場感も味わえる  テレビショッピングを専門に放送する番組「ショップチャンネル」が、ショッピングの常識を変えつつある。自宅にいながら、テレビ画面を通して世界中のファッションや食、美容、家電などの買い物が24時間楽しめるのだ。1時間ごとにさまざまなジャンルの商品が登場するため、番組表を事前にチェックし、日用品をすべてそろえてしまうコアなファンも急増中なのだとか。人気の秘密を探るため、24時間、365日生放送を誇るショップチャンネルのスタジオへと足を運んだ。

 大きなビルが立ち並ぶ東京・茅場町の一角に、ショップチャンネルのスタジオビルは建つ。建物内には自社のスタジオが2フロアあり、セットを切り替えながら24時間365日、休むことなくさまざまな商品の情報を発信している。

 スタジオに入ると、高級ブランドバッグを紹介する番組の生放送中だった。カメラの前には司会進行を務めるキャストのほか、ブランドの開発担当者も立ち、商品の特徴とともに開発秘話なども披露。ショップチャンネルの広報担当、勝賀瀬(しょうがせ)鮎美さん(33)によれば、番組にはメーカーの開発者やデザイナーなど、商品をよく知る人が司会者とともに出演するという。

 「放送時間がたっぷりあるので、店頭では分からない開発秘話やセールスポイントをじっくり聞くことができます。意外な裏話などもあるので、番組として視聴しても楽しいですよ」

 リアルタイムで応答

 ショップチャンネルの自慢は臨場感のある生放送だ。画面には、注文状況や売り切れ情報などを表示。また、視聴者から電話で「バッグの中を見たい」「底のデザインが分からない」といった声を受ければ、すぐに番組プロデューサーを通して司会者へ伝える。司会者はそうした声に応じて、実際に番組内でバッグの中身などを紹介する。

 「電話に対してリアルタイムに応答するので、家にいながら臨場感が味わえます」

 また、商品によっては受注数をリアルタイムに表示することもできる。取材時に販売中だった高級バッグも、画面下に表示された売上数を示すカウンターが番組終盤で急上昇。約3万円のバッグが200個、300個と飛ぶように売れていく。

 「こうした表示は『購買意欲をあおっている』との指摘もあるのですが、放送中に売り切れてしまう商品が多いのも事実。お客さまに必要な情報を伝えようという考えから、売上数も提示しています」

 番組からヒット商品

 ショップチャンネルは1996年、ケーブルテレビなどの多チャンネル放送サービスのコンテンツとして誕生。放送開始時は1日の放送時間は約12時間で大半が録画放送だったが、徐々に生放送時間を拡大。2004年9月からは24時間生放送をスタート、それ以降は休むことなくさまざまな商品の情報を発信している。扱う商品もアパレルやジュエリーをはじめ、コスメ、台所用品、家電、生鮮食品まで、さまざまなジャンルやブランドがそろう。

 人気商品も店頭とは異なっており、ショップチャンネルが火付け役となって生まれたヒット商品の例も少なくない。その一つが、2000年代にヒットしたパナソニックの乗馬型フィットネス機器「ジョーバ」だ。

 ジョーバは、開発に多くの時間を費やした上に品質にも徹底的にこだわった結果、1台10万円以上という高価格に。加えて店頭では試乗を恥ずかしがる人も多く、発売当時は苦戦していたという。ところがショップチャンネルで紹介したしたところ、人気が出て販売累計1万台以上という大ヒット商品となった。「1つの商品を1時間かけて紹介しますので、開発秘話や運動効果などをじっくり伝えることができたようです。また番組内で実際に乗った様子も放送したので、多くの人にイメージをつかんでいただけました」(勝賀瀬さん)

 ありのままに見せる

 売り上げも視聴可能世帯数の増加とともに伸び、2011年度は過去最高の約1209億円を記録。1日の出荷数も平均約3万6000箱に達しており、リピーターが多いのが特徴だという。これだけの人気を誇る理由は、幅広い商品のラインアップに加え、徹底した「商品をありのままに見せよう」という意識にあるようだ。

 商品をカメラで写す際は、「さまざまな角度から分かりやすく」を大切にする。また、スタジオ内の照明にも気を配り、家に届いたときの状態を想定して一般家庭と同じ蛍光灯を使用している。「その場でたくさん売れても、商品がお客さまの手元に届いたときに信頼を失えば、二度と買ってもらえません。365日この先もずっと楽しくお買い物をしていただくために、その点をとても大切にしています」

 一度使うと、その便利さと楽しさがクセになってしまうといわれるショップチャンネル。まずは気軽に番組を視聴する感覚で、ショッピングを体験してみるのもよさそうだ。

 

 ≪インターネット限定の企画も≫

 漁の様子をインターネット限定で生中継し、その場でとれた魚などを販売する「トルトコミテ」をスタート。全国の漁業協同組合と提携し、新鮮な魚介類を産地直送で発送。早ければ、水揚げの翌日には自宅に届く。

 ≪春の新生活応援セール≫

 3月12~15日には「春いちばん! ショップチャンネル祭」と題した企画が開催される。新生活にぴったりのアイテムや食品、春らしいファッション雑貨などが、特別価格で登場する。

■ ジュピターショップチャンネル

番組はCS放送055チャンネル、ケーブルテレビ、BSフジなどで視聴できるほか、インターネットでも配信。フリーダイヤル0120・000・123。www.shopch.jp

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