ルネサス、再建へ自動車向け半導体に重点 車載用システムLSIのサンプル出荷
2013.3.26 07:30更新
半導体大手のルネサスエレクトロニクスは25日、カーナビゲーションシステムなど車載情報端末向けの次世代システムLSI(大規模集積回路)のサンプル出荷を始めた。ルネサスは生産拠点や事業体制の再編を急ぐとともに、世界で高いシェアを保つ自動車向けの半導体などに経営資源を重点的に投入し、早期の収益回復を目指す。
出荷を始めた「R-Car H2」は、9つのCPU(中央処理装置)などを搭載し、画像やデータなどの処理速度やグラフィック能力を大幅に向上させ、消費電力も抑えた。2015年6月から量産を始め、16年6月には月産10万個を計画する。生産は台湾の半導体製造会社TSMCなどに外部委託する。
経営再建中のルネサスには、官民ファンドの産業革新機構やトヨタ自動車などが最大2000億円の出資を決定。生産拠点を半減する構造改革を進めており、2月には社長が交代し、7つあった事業部を4つに集約するなどの事業再編を行った。
システムLSI事業については、子会社「ルネサスモバイル」の携帯電話向け事業の売却に向けて海外企業と交渉を続ける一方、車載や産業機器向け事業は自社で継続する方針。
この日の会見で、マイコンとシステムLSIの両事業を統合した新部門の責任者の大村隆司執行役員は「(自動車向けなどの)マイコンとシステムLSIを融合できるのはルネサスだけ。今後も新製品の開発ロードマップを示し、実行する」と強調した。
ルネサスの車載向けシステムLSIの市場シェアは国内で約8割、海外で約5割といい、同社は約4割の世界シェアを持つ自動車向けマイコン事業との連携を深め、ラインアップの拡充も図る方針だ。