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英ボーダフォン共同買収検討 AT&Tとベライゾン 過去最大23兆円
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英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は2日、関係筋の話として米通信大手のAT&Tとベライゾン・コミュニケーションズが共同で同業の英ボーダフォンの買収を検討していると報じた。
実現すれば、米AOLによる米タイムワーナーの買収を上回る過去最大のM&A(企業の合併・買収)案件になる。
ボーダフォンはベライゾン傘下の米携帯電話最大手ベライゾン・ワイヤレスに45%を出資している。
同紙のブログによると、ベライゾンがボーダフォンからベライゾン・ワイヤレスの持ち株を買い取って完全子会社化する一方、AT&Tがボーダフォンの米国以外の事業や資産を取得する方向で検討している。
買収総額は2450億ドル(約23兆円)に上り、2000年にAOLがタイムワーナーを買収した際の1820億ドルを上回り、史上最大のM&Aになるという。
ベライゾンは米当局に提出した文書で、「ベライゾン・ワイヤレスの完全子会社化は望ましいが、ボーダフォンを単独または共同で買収する意向は現在ない」と説明。AT&Tは取材に対し、「ノーコメント」としている。
報道を受け、米英の株式市場ではAT&Tとベライゾン、ボーダフォンの株価がいずれも上昇した。通信業界では、ソフトバンクが昨年10月に米携帯電話大手スプリント・ネクステルを買収すると発表するなど、国境を越えた再編が広がりつつある。(ワシントン 柿内公輔)