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TPP 自動車業界 関税最大限維持など落胆

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TPP 自動車業界 関税最大限維持など落胆

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 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加へ、事前協議で米国の同意を得たことを受け、産業界からは歓迎の声が相次ぎ上がった。一方で乗用車やトラックにかける関税の最大限の維持などの譲歩を迫られる格好となった自動車業界からは落胆の声も出ている。

 経団連の米倉弘昌会長は12日、「交渉参加の道が大きく開かれた」と日米の合意を歓迎。日本商工会議所の岡村正会頭は「意義が大きい」と評価し、経済同友会の長谷川閑史代表幹事も「正式な交渉参加に向けた大きな一歩だ」とした。

 残るオーストラリアやカナダとの事前協議も、岡村氏は「早期に合意を」と期待を隠さず、米倉氏も「早急に協議をまとめ一刻も早く参加を実現してほしい」と要望した。

 一方で、日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は12日、「国益の一層の増進の観点からTPP交渉に臨むことを期待したいが、関税撤廃時期については残念」とコメントした。

 自工会などによると、TPP参加国(非関税のシンガポール除く)への自動車分野の関税支払額は年間約2000億円。米国だけで約800億円に上るという。超円高の是正で輸出採算が改善してきたとはいえ、ライバルの韓国は米韓の自由貿易協定(FTA)の締結で、2016年3月に関税がゼロとなる。主力の北米市場などで厳しい価格競争が続くだけに、自工会幹部は「首相は『頑張っている人が報われる社会』というが、円高下で苦しみながらも国内生産を維持してきた自動車産業は報われないのか」と憤る。

 合意では、保険分野でも日本側が譲歩した。日本政府の関与が残る日本郵政傘下のかんぽ生命保険のがん保険や学資保険などの新商品販売を認可すべきではないとする米側の主張を受け入れ、政府は認可を当面凍結することにした。米側の懸念に配慮する形となったが、かんぽ生命側は「今回、発売を目指している学資保険は全くの新規事業ではない。今回のTPPの合意とは別のものだ」と反発した。

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