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上海モーターショーで中国モデル投入 「成長とリスク」苦悩抱える日本勢

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上海モーターショーで中国モデル投入 「成長とリスク」苦悩抱える日本勢

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上海モーターショーで次世代環境車を数多く展示したトヨタ自動車のブース  18カ国・地域から約2000社が出展した世界最大級の自動車展示会、上海モーターショーの一般公開が21日始まり、日本車メーカーは中国向けに開発した車の量産モデルや試作車を公開、販路拡大に積極姿勢を示した。ただ、反日感情の高まりに伴うリスクを抱えつつ、どこまで中国重視の姿勢を貫くか、苦悩も抱えている。

 「現地化」アピール

 「長い戦いが続く。一喜一憂しないで根付かせる」

 中国での展開について、ホンダの伊東孝伸社長は、こう語った。同社は高級車ブランド「アキュラ」の現地生産に乗り出す方針を決めたほか、2011年に立ち上げた中国独自ブランド「理念(リネン)」についても量販する構えを見せる。

 トヨタ自動車は、合弁相手の第一汽車、広州汽車と個別に独自ブランドを中国で展開する方針を示し、第一汽車とは「朗世(ランズ)」ブランドを立ち上げる。モーターショーに中国で販売する電気自動車(EV)の試作車を出展したほか、21日には高級車ブランド「レクサス」の中国現地生産を検討していることを明らかにした。

 中国人デザイナーを中心に作った試作車「フレンド・ミー」を公開したのが、日産自動車。「1980年代以降に生まれた若者のライフスタイルにあう車を出す」(アンディ・パーマー副社長)戦略を描く。

 昨年の中国の新車販売台数は4.3%増の1930万台。渋滞対策の一環で購入制限を導入する都市が増えるなど伸び率は鈍ったが、内陸部の需要増加がリードし、今年は2000万台突破が確実視されている。

 各社とも何らかの「現地化」をアピールした独自ブランドの展開で、沿岸部の買い換え需要や内陸部で初めて車を購入する動きに活路を見いだしている。日産は昨年春に立ち上げた「ヴェヌーシア」を軸に内陸部への浸透を図っており、一世代前の車台(プラットフォーム)を使って100万円を切る価格で勝負する考えだ。マツダの山内孝社長も、合弁先の長安汽車がマツダの技術提供を受けた生産・販売を検討中と明かす。

 「焦る必要ない」

 ただ「焦って事業を拡大する必要がない」(富士重工業の吉永泰之社長)との冷ややかな声もある。中国市場は「政治的リスクが高い。巨大ゆえ撤退はありえないという難しさもある」(証券アナリスト)というのが日本側の本音だ。こうした見方が強まる背景には、米経済の回復による北米市場での好調な販売も影響している。

 2012年の米市場は前年比で13%増加し、5年ぶりに1400万台を回復。中国市場よりは少ないものの、トヨタ、日産、ホンダの3社だけでシェアは約4割に達している。

 これに対し、英調査会社LMCオートモーティブによると、12年の中国での乗用車販売台数で日本ブランド車(日本メーカーの現地合弁生産車と輸入車)のシェアは前年比4ポイント減の19%。ピークである08年の3分の2程度の水準まで落ち込んでいる。

 米中という二大市場でその成長とリスクをどう考えるか。日本車メーカーは世界戦略の微妙なかじ取りを迫られている。(上海 飯田耕司)

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