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ソフトバンク 条件15億ドル引き上げ 7月上旬にスプリント買収完了か
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ソフトバンクによる米携帯電話3位スプリント・ネクステル買収が濃厚となってきた。ソフトバンクは10日(米国時間)、買収条件を検討するためスプリントが設置した特別委員会と取締役会に買収額を当初の約201億ドル(為替予約時のレートで約1兆6500億円)から約216億ドルへ引き上げると表明、両者は変更案を承認し株主に対してソフトバンク案への賛成を勧めた。
特別委員会は、対抗案を提示していた米衛星放送大手ディッシュ・ネットワークとの交渉を打ち切る一方、最終案は18日まで受け付けると発表。これに伴い、株主総会の決議は当初の12日から25日に延期されるが、買収額引き上げでソフトバンク案への賛同が大勢を占めるとみられ、7月上旬の買収完了が現実味を帯びてきた。
買収額引き上げは、ディッシュが4月に255億ドルでスプリント買収を提案したことに対抗。これにより、ソフトバンクのスプリントへの出資比率は当初計画の約70%から約78%に増える。1株当たりの買い取り価格は7.30ドルから7.65ドルになる。
ソフトバンクは、買収合戦が長引けばスプリントの企業価値を損ないかねず、早期決着のため買収額の引き上げが必要と判断した。孫正義社長は「スプリントの競争力の強化にもつながる」とコメントを発表した。
ディッシュは10日(米国時間)、「戦略上の選択肢を考えており、ソフトバンクの修正案を分析する」とコメント。1週間後に迫った最終案の受け付け期限までに対抗策を提出する可能性もある。
ソフトバンクが当初示した買収総額の約201億ドルは、1ドル=82.2円で為替予約しており、今回上積みした15億ドルは98円で計算するので日本円では総額約1兆8000億円となる。
ソフトバンクのスプリント買収をめぐっては、司法省(DOJ)や対米外国投資委員会が5月末までに承諾。7日にはDOJや米連邦捜査局(FBI)などからなる通称「チームテレコム」も問題なしと表明、近く連邦通信委員会(FCC)も承諾する見通しだ。