SankeiBiz for mobile

【新トップ】日本郵政社長に西室氏就任 「最後のご奉公」民営化加速

ニュースカテゴリ:企業のサービス

【新トップ】日本郵政社長に西室氏就任 「最後のご奉公」民営化加速

更新

 政治に翻弄され続けた日本郵政の民営化を「目に見える形で進展」(新藤義孝総務相)させるため、重責を引き受けた。昨年5月から政府の郵政民営化委員会委員長として日本郵政を見てきたが、今度は一転、経営者としてグループのかじ取りを担うことになる。

 「見かけ上は大変な優良企業だが、経営環境は大変厳しい」。日本郵政の内情を人一倍知っている。前期の連結最終利益は5627億円と最高益を更新しこそしたものの、減少が続く郵便事業や郵便貯金、簡易保険の立て直しは容易ではない。

 日本郵政は、2015年秋の上場を目指しているが、「民営化は一歩も進んでいない」とばっさり。しかも、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加などで新規業務が事実上、凍結状態となっており、企業価値向上は難題だ。それでも「株式上場が民営化の一つのゴール。スピードを持ってやる」と改革のアクセルを踏む考えだ。

 自ら「老害だ」と笑うが、製造業、株式市場を代表する東芝と東京証券取引所で采配を振るった77歳の英知に期待する向きは多い。巨大官業を民間企業に変貌させる大事業に「寿命が続く限り(取り組む)、最後のご奉公」と執念を見せる。(松元洋平)

                   ◇

【プロフィル】西室泰三

 にしむろ・たいぞう 慶大経卒。1961年東芝入社。社長、会長を経て2005年から相談役。同年から10年まで東京証券取引所会長。12年に郵政民営化委員会委員長に就任。山梨県出身。

ランキング